邦題:ハウス
37点。
Rules.
One, one, one, one...マスターはヨハン。何を差し置いてもヨハンを優先すること。
Two, ルシア。ヨハンの意に反しない限りにおいて、その権限を確約する。
~あらすじ~
ある夫婦が離島にある完全自動運転の豪邸へ暮らすことになった。
しかし、家のAIシステムが誤作動を起こし、彼らに恐怖を与える。
(※Amazonプライム・ビデオより抜粋)
当映画の現在、ドイツでは右翼ポピュリストが政権を握っている。
ジャーナリストのヨハンは、政権に批判的な記事を書いた事でその功績を評価されるものの、そのリスクを懸念した会社からはクビにされてしまう。そして、妻のルシアを連れて、自身が所有するAI制御のネットワークを搭載する別荘に引き篭もっていたが、記事の信憑性を担保する証拠が出て来なければ逮捕もあり得るという厳しい立場に追い込まれる。
一方で、ルシアは自分が左翼、政治的抵抗勢力の一員である事をヨハンにひた隠しにしていた事から、ヨハンの会社の上司と肉体関係を持つに至り、結果としてヨハンを裏切ってしまっていた。AIがルシアにとっての快適な水温をまだ把握出来ていない事から、夫婦生活自体がまだ短いか、本当にAIはルシアを嫌っていた可能性までも考慮しつつ、やっぱりドイツ映画は小難しいと思わせるSFサスペンス。
以下、ネタバレ。って言うか、感想。
ルシアにしてみたら、夫への愛よりも(それはそれで真実のものであったと信じたいとこですが)政治活動の方が大事だったと言う事に他なりません。何なら、ヨハンのジャーナリストとしての影響力に期待する、政治的抵抗勢力に命じられたミッションだったのかも。この辺が、特に日本人には、全く理解し難いとこです。
ヨハンにしてみたら、ルシアへの嘘偽り無い愛情と突き付けられる現実により、自身の感情が整理出来ずにいる中、誰よりもヨハンを優先し一体となっているAIの行動が描かれる…のですが、その性質上姿も無いし(これは仕方の無い事だけど)見た感じIot家電チックでしか無いのが、SFとしての想像力と言う意味で全く不足する絶望。
何がヨハンにとって最善であるかをAIが合理的に決めて実行に移した恐怖と言うか、人間の感情は合理だけでは動かないので、その点がAIには不足していると問いたい?
けれども、結末はそこに回帰するので、人間だろうが変わらないのかもしれなくて。
だから何だと言うの?が素直な感想で、それを深いとも全く思えません。
敢えての、AIは電気羊の夢を見るか?