83点。
"ミスミソウ" はお花屋さんで鉢としてなら取り扱いがあるかもしれませんね。
~あらすじ~
東京から田舎に転校してきた春花は部外者として扱われ壮絶ないじめを受けていた。唯一の味方は同じ転校生の晄だけだった。日に日に嫌がらせがエスカレートしていく中、春花の家が火事に遭う。春花の妹・祥子はなんとか助かったが、両親は命を落としてしまう。
(※映画ナタリーより抜粋)
以下、ネタバレ。って言うか、感想。
原作のラストシーンは、厳しい冬を乗り越えて、初春の雪解けに咲く事から "雪割草" とも呼ばれるこの山野草が、面一杯に咲き乱れる光景に、おじいちゃんが亡くなった孫二人に呼びかける台詞で〆る、
「春花、祥子、春が来たよ。」
老い先が短いであろうおじいちゃんに深い悲しみを背負わせて、余生を生きさせるという結末です。当映画はラストこそ違いますが、基本は原作に忠実です。
いじめに因る自殺等のニュースを目にする度にこのお話を思い出します。それは紛れも無く、意識を向ける事も無く、そこに在るのに気付きもしなかった、その辺の山に生えるミスミソウに例えられる―春花の様な存在です。
彼女は復讐の鬼と化してしまいましたが、それは、自分を、他人を、大事な人までも傷付ける、途方もない悲しい行動と言えます。どうしても避けられない結末であったとして、先ずは私達大人から、健気に咲こうとするミスミソウに目を向く必要があると思うのです。これは内容が陰惨であればある程に効力を発揮すると考えますので、ただの胸糞と切り捨てるのは少々違うと私は思っています。
勿論フィクションなので、一部キャストの棒演技だったり、過剰なゴア表現でリアルな生生しさなんて追求していません。苦手な人も見れるでしょう。
登場人物の誰にも共感出来なくても、あなたが幸せな幼少期を過ごしたと言う事で、それをおかしいとは思いません。逆にトラウマがある人に鑑賞はお勧め出来ません。
悲しくて泣けてしまうメンチサイド(精神破壊)ホラー。原作に思い入れがある分、評価が高めになっています。そんなの良いんでしょうか。