原訳:コロブラートの伝説 邦題:フューリアス 双剣の戦士
47点。
 
1人 vs 15万人のキャッチコピー状態は物語の最も終盤なので過大コピーに近いです。
私、フロムソフトウェアのゲーム、"ダークソウル" の雰囲気が好きなのです。異常にやり込んだところ、とある掲示板に晒された事がありまして、あの頃は負けた腹いせの文句のPSメールが届くとそれを "ファンメ(ファンメール)" と呼んで喜んでいたので、残念なおつむと言うか、イカれていたんだと思います。
 
 
 
↑私を呼んでくれたら、カンストのアリアンデル絵画世界を最初から最後まで死なずにお付き合いいたしますし、回復もたまにしてあげる。自分で言うのもアレだけど、お供は私だけで充分、当たりの白霊ですのよ。
 
 
…要するに、当映画はCGに頼り切っているところと、戦争をゲームの様に見せているプロパガンダ映画の側面を持つと言えます。その意味で点数はつけたくないけども、ここ映画レビューブログなので。
 
当映画はロシア版「300 〈スリーハンドレッド〉」と言われますが、ゴリゴリの肉体を見なくて良いのと、作り込んだ小道具や演出が美麗で目に優しいです。反面、主人公のエヴパーチー・コロヴラートの記憶保持のキャラ設定が要素としては生きてないです。要るか要らないかで言ったら要らないのですが、唯一、面白いと感じたところがラーダとのやり取りなので無かったら…泣くだけですかね。
 
 
以下、ネタバレ。って言うか、感想。
 
 
9世紀後半~13世紀半ばに存在したキエフ大公国、古東スラヴ語で "ルーシ" を舞台とした中世ロシアの文学作品を参考としたもので、史実の部分もあるかも知れないし、虚偽や誇張がある前提の昔話でしか無いのですが。
現代のベラルーシ、ロシアの国名はルーシの言葉が転じたもの、それにウクライナを加えた3国は文化的な祖をキエフ大公国と位置付けキエフをロシア諸都市の母と呼んでいます。そして、キエフとは現在のウクライナの首都キーフ。
 
…この映画公開の5年後にロシアはウクライナを実際に軍事侵攻し、今尚、両国が戦争をしているのです。
 
 
敢えて訳さなかった「メッセージ」の戦争を止める事が出来た言葉。
 
「意志と勇気で世界を救う手助けをしなさい。戦争は英雄を作らず、未亡人と孤児を作るだけ。」
 
当映画では明確に「メッセージ」の反対を意味する言葉になってしまっています。
逃げ延びた孤児達が成長し、1242年のロシアのノブゴロドに侵攻したドイツ騎士団を敗走させる結果となる "氷上の戦い" へ挑むラストシーン。
…ここに繋がるのを浪漫だと思わせるのが危ういのだと言えます。
 
 
地形的に不利とは言え、数えられる程度のルーシ兵に対して、数え切れない何万もの軍勢が石弓(投石機)を投入、容赦無く蹂躪した後にいけしゃあしゃあと
 
「この者が私の部下なら腹心となっただろう。英雄にふさわしい敬意をもってこの者を埋葬せよ。」とか言っちゃう始末。これってどうなんでしょう。
 
 

私は偏に、この世界から戦争が無くなることを心から望むものです。

 
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