邦題:HOSTILE ホスティル
57点。
荒野を駆ける車、夫婦らしき男女の仲睦まじい写真に似つかわしくない、銃との組み合わせのカットで以て、全てを物語るフレンチ仕立てのサバイバルホラー。
何故、こんな事になったかの背景の説明は劇中にはさっぱりありません。つまり、当映画が描くのは、化学兵器のガスや感染者であるクリーチャーでは無いと言えます。
ひっくり返った車の中とその周辺が舞台なので、ワンシチュエーション物の様ですが同じ位、主人公の回想を辿って行く描写を挟むので、そこに固執している訳じゃ無いです。大人の事情かしら。「パンデミック」同様に女性主人公で、二人を比べると、こちらの方がどうしようも無い性格ですが、不思議と憎めません。感情移入かしら。
以下、ネタバレ。って言うか、テーマ。
主人公の名前、ジュリエットって言うんですよ。
この終わり方は私、結構好きな方です。
人間側は絶滅寸前(ジャケット裏あらすじ参照)なので、無理な救助が出来ないのも理解出来ますし、主人公が当たり散らす事もあって、話の流れに無理を感じません。
プロット自体は至ってシンプルなものです。
何より、背景の説明を一切せずにタイトルに逆説的に掛けて来るのが良き、タイトル通りとも言えるダブルミーニングに至っては、文系人間としては非常に良きです。