image

 

邦題:プレステージ

60点。

 

どっちの意味でも観なきゃ良かったと思わせたサイコロジカルスリラー。

アメコミ俳優陣が豪華に共演。スカジョにデヴィッド・ボウイも忘れちゃいけない。

 

 

以下、ネタバレ。って言うか、私の手記。

 

 

映画も手品も、種や仕掛けが解ってしまったら普通に興味無くなるもの。

この映画の鬱々とする展開と結末は繰り返し観たいものじゃない。

意図的に時系列を前後させて解り難くし、複数回の視聴を狙っているのが余計な事であって、結末は充分にトリッキーなのだから時間軸くらい直球勝負で良いのに。

言っても、そんなに難しいプロットじゃないし。

 

男の嫉妬って滅多に描かれないけど、嫉妬が人を殺すどころか自分まで殺すなんて「犠牲」の一言で済ますにはちょっとエグい。

 

アンジャーも最高で99回死ぬ事になるし、そんなの精神が保つとも思えない。自分はどのアンジャーか解らなくなってるのもとんでもない。

 

ボーデンがトリックを見破る為に舞台下に侵入したらアンジャーは観客の前に敢えて姿を現さず、グレート・ダントンを亡き者として、本来の自分の身分であるコールドロウ卿に戻り、ボーデンに罪を着せて死刑に追い込むとか回りくどい。

それならお金を払って誰かに殺させるとかの方がずっと納得出来る。

 

ボーデンも普段から入れ替わっていたのもヤバい。事故が起きた時の結び目を覚えていない方じゃなくやった方で葬式は行くべきでしょう。赤ちゃんが出来た時の報告を聞いたのもじゃない方だったし、正直に告白して欲しいと頼んだ時もじゃない方。

 

サラやオリビアと夫婦生活も不倫もどっちのボーデンもこなしてたなんて「犠牲」の一言で済ますにはかなりエグい。

 

この映画の呪いを解く暗号は「誠実」です。