邦題:LAMB/ラム
54点。
音響効果超一流、余計なBGM無し。
北欧の大自然の映像美をたっぷり楽しめるフォークホラー。
ストーリーは単純だけど、裏テーマはとってもディープ。ジャケットから聖母子の絵を連想させられるし、主人公の名前はまんま、マリアだし、黒い羊(山羊では無い)が出て来ますし。
大人のシーンがあります。家族閲覧注意!
以下、ネタバレ。って言うか、感想。
A24とは相性が合わないなと再認識させられました。犬はホラー映画のセオリーだと殺してはいけないんだってば。「へレディタリー/継承」でもやってたし常連やん。
この映画、凄く深く考察している方達が居て、曰く、ハッピーエンドらしい。理由はマリアは新しい命を身籠ったから。いやいやいや、ちょっと待って。
ダナが連れ去られて、犬殺されて(気付いて無いけど)、旦那殺されて、ハッピーな訳が無いでしょう。マリアも妊娠は(してるかどうかも確定してないけど)気付いて無いし、下手したら旦那の後を追いかねないよ。娘を亡くした辛い過去に加えて、横におあつらえ向きに銃もあるし。
そもそも、考察が主になってしまう映画ってブームが去ったら残んないんですよ。
知識や考察が前提になったら、それはもう映画じゃなくて、誰にも採点して貰えないテストになってしまいます。
この映画のプロットはこうです。
①羊人間が産まれたので家族として育てる。
②その母羊をマリアが殺す。
③羊人間の父親に犬と旦那が殺される。
途中で弟が乱入しますが、考察抜きでストーリーだけ読むと上記だけです。106分をこれだけで埋めますので、どうしても冗長気味になります。映画開始から18分。
オープニング以外は夫婦の日常が淡々と。そして、ダナの体が映るまでに37分30秒。
もうね、そんな引っ張らないでお願い。何となく解るし。
そして、結末が「母親殺したから復讐されたのね。因果応報か。」で終わるんです。
この映画は基本、伏線をきっちり回収するのも手伝って、何でこんな結果に?アレはどういう意味か?となり難いです。何か勿体無いです。
私は、また解釈ぶん投げパターンかと辟易してしまいました。
そして、この映画を凄く深く考察している方達が居る事を知り、拝読させて頂いた折、この映画だけに限らず、映画監督やってくれないかな?と切に願う訳です。邦画のレベルを上げて!
産まれた時に引き取りに来なかった癖に、何故今更になってってのと、旦那と犬の死は何か違うんじゃない?と言うのが、私の思う腑に落ちないポイントです。