邦題:フリークス/怪物團/神の子ら

60点。

 

この映画にどんな感想を持ったって良いです。見ないふりや、無かった事にするよりよっぽど良い。

 

巷では人間に見せるべき映画じゃないだのと各国で発禁処分となり、オリジナルの90分フィルムは現存せず、問題があるシーンをカットしまくって64分、オープニングとエンディングを追加したバージョンが主流の様です。

つまり、過激なシーンは全く無いと言えます。血が噴き出る事も無いとか健全だね!

 

 

以下、所感。

 

 

まず、申し上げたいのはフリークスを演じたのは素人ではありません。全員が超一流の見世物芸人です。身体にハンデを背負った分、言葉に出来ない程のご苦労をなさったのは間違いないでしょうが、それを乗り越え懸命に生きる姿、彼らが磨いた一流の芸を人々は賞賛し、人並み以上の幸せを掴めた方が過去に存在した事実があります。

 

1世紀近く経つ今の世の中で、フリークスはそんな希望を持てるんでしょうか。

ただ、生かされている。生きる為に死んでいく。

 

日本にも故人で、中村久子女史と言う幼少期の四肢切断のハンデを背負いながらも

「恩恵にすがって生きれば甘えから抜け出せない。」と生涯に渡り、国による障がい者の保障制度に頼らず自立した方が居りました。

祖母や母親は非常に厳しく、何ら区別せず生きる為に必要な教養を教え込まれたそうです。深く真実の愛を感じるエピソードですね。

 

監督のトッド・ブラウニングは自身の経験から、フリークスに対して抵抗が無かったに違いないと思うのです。

ここで描かれるのは私達と何ら変わらない、人間のありのままの生きる姿です。彼が目指したのは彼らを個性として認めた上での、日常風景との融合だと思いますです。