親戚
岩手県の沿岸で生まれ育った。
就職先なんか無い町。高校を卒業した人間は、ほとんど関東へ来る。
県庁所在地の盛岡、東北最大の街仙台にもほとんど就職先は無い。
ウチは父親がこの先を憂い、家族ごと関東へ来た。20年少々前。
田舎に帰るのは誰か死んだときだけ。俺に至っては15年以上帰ってない。まあ帰る家も無いし。
親戚連中は働ける奴らはほぼみんな関東へ。残されているのは人生の終盤を迎えた、静かに余生を過ごす人たち。
ところが静かに過ごせる状況じゃなくなった。
電話がつながらない現状。
いてもたってもいられなくて、被災地に向かう人たちの気持ちもわかる。
でも・・・その人たちの車が邪魔で、救援する人が行けないんじゃないか?
その人たちも腹が減る。被災者のメシが減るだけなんじゃないか?
衛星電話で父親の兄から電話が来た。とりあえず命は大丈夫。今は合同庁舎に避難。家は1階が水浸し。
気になるのはこの家以外の情報が無いこと。小さい町だから避難場所にいれば生存確認できると思うんだが。
ところで・・・ 3日ぶりにウチ帰ったら食い物が無い。 近所の店やってないってw
ふろーすれ1