知ってますか?
この曲はバブルガムブラザーズが徳島の阿波踊りをモチーフに作ったそうです。
1991年、TVではダンスブームが巻き起こり、
たけしの元気が出るテレビの「ダンス甲子園」でLLブラザーズが、
(この番組に山本太郎が競泳パンツに競泳帽で「メロリンQ」と叫んでいて
番組自体がLLブラザーズを売り出すためのやらせ番組だったらしい)
ZOOが、MCハマーが、C&C MUSIC FACTORYが、BLACKBOXが
(ZOOが人気絶頂だった頃オールナイトニッポン第一部にゲスト出演もしていたのだが
相当態度が横柄だったらしく、その日の第二部担当が
「楽屋で挨拶もしない。図々しいからZOOって言うんだ!」と怒り狂っていた
年代からして多分言ったのは電気グルーと推定される)
私の私は高校生。一番青春を謳歌しているはずの年頃、
勉強についていけず、学校に馴染めず、
時代についていけず、歯がゆさを感じ、一人もがいていた。
その日、よくつるんでいた中学の時の友達と会い、
ふとしたきっかけで街へ繰り出す。
辿り着いたのは新宿だった。
歌舞伎町で黒服に声をかけられて、
新宿のコマ劇場近くのディスコへ吸い込まれていく。
エレベーターの中で一人だけ激しく緊張していた。
「親には絶対言えないなあ」
余裕な態度で黒服と話す友達が、少し大人に見えた。
周りが真っ暗闇で大音量の音楽の洪水の中、
同い年の男の子3人組に思いがけず出会い話していた。
帽子をかぶったちょっと遊んでそうな男の子と、
ディスコとか縁がなさそうな(人の事言えないけど)真面目そうな男の子二人だった。
今思えば私は、帽子の子と私ばかり話していたと思う。
他の男の子二人が私の友達に向かって
「ずるいよあいつばっかり話してて。。。」
と言っていたみたいだから。
友達は、口数が少なくなった。
耳に入ってくる音楽が、右の耳から左の耳へと流れていき、
ユーロビートとかハウスとかまるきりわからなくて、
ただその男の子の話している横顔をぼーっと見ていただけかもしれない。
朝方になって聴いた事のあるフレーズが流れ、あたりが少しだけ盛り上がった。
「WON'T BE LONG」だった。
男の子が立ち上がってステージで踊り始めた。
恥ずかしくて踊れない私にはなんだかすごくまぶしくて、チラチラ見ていた。
友達は、黙っていた。
朝になり、やってきた電車に乗り、
帰りの電車の中、友達は泣き出した。
どうしたのと何回聞いても、何も答えず泣いていた。
どうする事もできず、到着駅で黙って降りた。
「WON'T BE LONG」
この曲を聴くと必ず思い出すのは、
あのお店、確か「グリーズ」という名前の。。。
心なしか哀愁が漂う感じがするのは、あの子の涙のせいかもしれない。