ルックバック
監督:押山清高
感想
これは一発の弾丸だ。
漫画家を描いたフィクション作品であり、かつジャンプ系列ということで『バクマン』を彷彿させるところがある。それ以上に感じさせるのは漫画家の魂というか、絵描きの魂というか。とにかく「描け!」っていうその姿勢の力強さ。手塚さんの「紙の砦」のような一心不乱に机に向かう姿、東村さんの『かくかくしかじか』のような「描け」というメッセージが胸を打つ。
アニメーションもいわゆる「アニメ」になっていないところが良い。セルと背景が分離しないスタイルは近年の流れでもあるけれど、なんて言うか、この作品のテーマにちゃんと噛み合っているというか。ひとつひとつの描線に、ひとつひとつの動きに魂が込められている。ノウハウでやっていない。まったく手法は異なるけれど、『First Slam Dunk』にも通じるようなクリエイティビティ。マンガのアニメ化という既存フォーマットに乗っかるのではなく、作品そのものに向き合って作っている。
1時間程度の短い作品。でも体感時間はもっとずっとあっという間だ。これは一発の弾丸。胸を抉られる。
☆☆☆☆☆(5.0)
「ルックバック」公開記念新PV