デューン 砂の惑星 PART2
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
感想
叙事詩の薫りがする作品は名作だと思っている。この作品もそうした薫りがする。世界観、映像の迫力、そうしたものの到達点は凄いと思える。果てなく広がる砂漠と、そこに響き渡るタンパーの振動。引き込まれる。崇高ささえ感じるサンドワームの唸り。IMAXだと音圧も凄まじい。
ただ、完璧な映画かと言えば、なかなかそうは言いづらい。特に脚本と編集。すごい端折っている部分とかったるく感じる部分の落差が激しい。「あれ?もう着いてる?」みたいなシーンがある一方で、チャニ周りの語り合いみたいなのは大分かったるい。
予言という形を取っている以上、物語の先はある程度こちらにも見えてる。そのせいで、「いつまでモタモタしてるんだ・・・」みたいに感じてしまう部分もある。それを埋めるのは「運命」という言葉である筈だけれど、それを感じさせるほどの脚本的な強さはない。
もうひとつ、フェイド=ラウサ周りの処理もいまいちに感じた。登場したときは何と言うか、「ああ・・・噛ませ犬出てきたなあ」って感じ。「こいつ、絶対コンモドゥスっぽいキャラやん」みたいな。作劇的に必要というのは分かるのだけれど、逆に言えば作劇の匂いを感じてしまった。この世界そのものよりも作者の存在を感じてしまう。
彼の見せ場の映像がアメコミとかグラフィック・ノベルの実写化映像っぽいのもいまいち。別にそれ自体は良いのだけれど、異星の世界でそれが出てきてしまうと、なんかね・・・っていう。たとえば、風土とか文化に地球と共通のものが出てくるのは(そういう世界なんだと納得できるから)構わないのだけれど、映像のルックがそのように見えてしまうと、途端に現実に引き戻されてしまう。これも制作者の存在を感じさせるというか。本当にそこにある世界を感じさせるという観点ではマイナス。
ただまあ、凄い映画ではあるよ。間違いなく。
☆☆☆☆★(4.5)
映画『デューン 砂の惑星PART2』予告 2024年3月15日公開