『グランツーリスモ』
監督:ニール・ブロムカンプ
感想
実話を基にしている割には妙に嘘っぽい。実際に生きた人間の魂を感じない。人間描写もスカスカだ。メインとなっている師弟愛の描写も「なんか『カーズ』で見たことあるぞ…」って印象。
レース関係のディテールも薄い。何月何日のどんなグレードのレースなのか、そんなことすら分からない(何年かの話をダイジェストにしているらしい)。おまけにどんなカテゴリーでも同じ敵が出てくる。
いちばん気になったのは繰り返される伏線。これ最終的にとあるレースである順位を取るんだけれど、それがいかに凄いことかってことをその前に散々やるから「最後はそうなるんだろうなあ」って感じで割と醒めて見てしまった。
しかも、それがレース界のトップ・オブ・トップかって言えば、別にそうではないわけで。あくまでも劇構造の枠組みのなかでのベストな結果なんだよね。「〇〇なのに〇〇だから凄い」みたいな、最初にハードルを下げておいて持ち上げる話に僕はいまいち乗れんのかも知れん。
上映中、ずっと『ルディ』って映画を思い出していた。168cmのアメフト選手が名門大で試合に出るまでの話。もちろん、凄いことではあるのだけれど、彼がその後NFLのスーパースターになったりとかそういうわけではない。名門大で試合に出ている奴なんて毎年何十人といるわけで、微妙に肩透かしの気分だったことを覚えている。
この映画。レース映像はカッコいいし、(悪い意味で)特に引っかかるところがあるわけでもないけれど、別に特に残るものもない映画。僕にとっては。
☆☆☆★(3.5)
映画『グランツーリスモ』予告1