映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021(3.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』

監督:山口晋

概要
 解説: 1985年に公開された『ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトル・スターウォーズ)』をリメイク。ピリカ星の大統領と出会ったのび太やドラえもんが、彼を狙う反乱軍に立ち向かう。監督は『超劇場版ケロロ軍曹』シリーズなどの山口晋。ボイスキャストにはドラえもん役の水田わさび、のび太役の大原めぐみ、しずか役のかかずゆみらおなじみの声優陣が結集している。(シネマトゥデイより)

感想(ネタバレします)
 リトル・スターウォーズは叙事詩だった。レジスタンスの地下アジトで流れる歌は、故郷を取り戻しに旅立つ『ホビット』のドワーフたちの歌を思い起こさせる。叙事詩はシンプルな構成によって人間の持つプリミティブな感情に訴えかける。

 この映画『小宇宙戦争2021』は余計なことをしている。少年大統領パピの姉を出すことによってパピがシスコン化し、彼の祖国に対する想いが見えづらくなっている。それだけじゃない。

 なんとドラコルルにパピが攫われない!

 これで何が起こったか。「友を助けに遥か遠くの星に旅立つ」という簡素かつ強力な物語が、「友の姉を助けに遥か遠くの星に旅立つ」というものになってしまっている。間に一人挟んだその分だけ物語の強度は失われる。

 その上、一人余計に加わることで、ロコロコの存在感が失われてしまった。「大統領と犬」という構図はそれだけで完成しているのに、「大統領と姉と犬」じゃあ何だか締まりがない。言ってみれば、「老人と海」が「老人と姉と海」になってしまったようなもんだ。

 脚本家が独自性を出そうとするたびに物語のペースが落ちるのも問題。勢いも感情の強さも失われた祖国奪還の物語にいったい何の魅力があるだろう。

 僕が興味深いと思った実際のジオラマを用いたシーンも、それほど効果的ではなかった。それは、戦車とか宇宙船のような「物」の方にミニチュア感がないということに起因している。プラモっぽさのないメカニック・デザインもそれに輪をかけている。

 子供の頃、僕はよく空想した。こんなプラモやラジコンで映画を撮ってみたいなあって。本家『スター・ウォーズ』に使われたミニチュアを見た時にも同様の感覚があった。この『小宇宙戦争2021』を見ても、そうした感覚はまったく生まれない。

 公平を期せば、原作をまったく壊しているわけではないし、感情を丁寧に描こうとしている印象はある。のび太に対してジャイアンが突っ込むシーンなど、ある種の抜けた感じも良いと思う。

 でも、物語の強度を失わせるプロット、子供心を刺激しないメカデザインの凡作。ついでに、ミルクボーイはまったくいらない。

☆☆☆★(3.5)



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