「部屋となーみんと火災報知器」
渋谷。
僕の原点。
1999.11.14、栗林みえを見に来た109。
はじめて目にしたドルヲタの熱さ。
2000.10.13、Egg-manの近所にあった怪しげな画廊。
いまでも耳に残るmawari(竹仲絵里)の歌声。
2011.3.11、電車から降りて歩いた道玄坂。
閉展になっていたフェルメール。
不思議と、節目節目で僕はここにいる気がする。
2019.4.20、浅井七海ソロライブ。
いつもより狭い会場。いつもより遠い距離。
逆さに吊るされたグラス。どこかから聞こえる話し声。
ライブ中にインスタを開くお客さん。
鳴り止まない火災報知器。
非現実的な空間。
ロックバンドのおねえちゃんかSSWみたいに見えたなーみん。
なにか一つのジャンルに狙いを定めて、それを極めれば面白いかもなと思えた歌声。
日常生活ではひとりの女子大生として授業を受けるなーみん。
僕はちょうど正反対。
ライブでは一観客として彼女を眺め、授業では数百人の女子大生を相手に話している。
いつも現実感がない。いつでも怖さを感じる。
彼女たちは僕を見に来ているわけじゃない。
「ジブリ」だとか、「ディズニー」だとかって単語に吸引力があるだけだ。
人が集まってしまうことの怖さ。何も裏付けのない自分。
息が続かないときのやるせなさ。
何者でもない自分が、まるで何者でもあるかのように振る舞っていること。
200人以上がいる教室で、一人耳を塞いでいる。
あんな風に、一人ひとりと目を合わせることなんて僕には出来ない。
ボーッと夜空の雲を眺める帰り道。