15時17分、パリ行き(4.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
15時17分、パリ行き
THE 15:17 TO PARIS
 
監督:クリント・イーストウッド
 
概要
 クリント・イーストウッド監督が、2015年8月に高速鉄道で起きた無差別テロ事件を映画化。列車に乗り合わせていた3人のアメリカ人青年がテロリストに立ち向かう姿を描く。事件の当事者であるアンソニー・サドラー、アレク・スカラトス、スペンサー・ストーンを主演俳優に起用し、当時列車に居合わせた乗客も出演。撮影も実際に事件が起きた場所で行われた。(シネマトゥデイより)
 
感想
 『アメリカン・スナイパー』、『ハドソン川の奇跡』。そしてこれ。イーストウッド監督のライフワークである「アメリカンヒーロー」の焼き直しもそろそろネタが尽きてきた感がある。
 
 「英雄」の苦しみを描いた前2作とは異なり、この作品はド直球で勝負している。三人のうち二人が軍人とは言え、主人公たちはどこにでもいるような普通の若者だ。そんな彼らの日常と、そうした日常に突如として降りかかってきた災厄に対しいかに立ち向かったかが描かれる。
 
 冒頭は、どこか同監督の『ミスティック・リバー』や、あるいはバリー・レヴィンソンの『スリーパーズ』を連想させる。これまでそうした映画を見すぎているせいか、単に自分の性格がひねくれているせいか、主人公たちがやがてダークサイドに落ちていくような、そんな予感がした。
 
 でもそれはたぶん、「ハリウッド」に毒された脳みそのなせるわざ。実際の彼らは、色んな悩みを抱えつつ、時には羽目を外しながらも、心根は善き人であり続ける。物語として見ると、あまりにもストレートで捻りがない。この映画が受けなかったのも分かる。ただ、そんなストレートさが、なぜだか心に響いた。
 
 価値観や思想の違い、どうしても乗り越えられないこと…この世界には色々な問題があって、この先もきっと悲しいことは起こり続けるだろう。それでも、「善き人」というのは、立場を越えて、国を越えて、人種を越えて、時代を越えて存在しうる。
 
 それはとても大事なことなんじゃないか…と、僕は思う。「善き人」でありたいな…と。
 
☆☆☆☆★(4.5)