七つの会議(5.0) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
七つの会議
 
監督:福澤克雄
 
概要
 「半沢直樹」シリーズなどで知られる作家・池井戸潤の小説を原作にしたミステリードラマ。部下によるパワハラ告発を機に起こる波乱をスリリングに映し出す。メガホンを取るのは、池井戸の原作のドラマ「半沢直樹」「下町ロケット」などの演出を務めた福澤克雄。『のぼうの城』などの狂言師・野村萬斎、歌舞伎役者としても活動している香川照之、『相棒』シリーズの及川光博のほか、片岡愛之助、音尾琢真、立川談春、北大路欣也らが出演。(シネマトゥデイより)
 
感想
 不正を働く大企業と、貧しくも優秀な技術を持つ中小企業、その狭間で奮闘する主人公。彼の障壁となる「悪」は徹底的に憎たらしく描く。「水戸黄門」もかくやという典型的な勧善懲悪劇が池井戸作品の真骨頂だ。この作品も、そうした池井戸作品の根幹というか、問題意識は変わらない。
 
 とは言え、かなり型破りな作品であることは確かだ。
 
 まず、主人公たる八角(野村萬斎)がどういう人物か掴めない。いわゆる「昼行灯」ってヤツだ。視点にも捻りが加えられている。この作品はむしろ、及川ミッチーと朝倉あきの視点で語られていく。そのことが八角のミステリアスさに輪をかけている(序盤で全体像は分かっちゃうけどね)。
 
 こうした捻りはまた別の効果も生んでいる。池井戸作品では、善玉/悪玉のはっきりした記号的なキャラクター配置が水戸黄門的な面白さにつながっていたわけだけれど、それがまた味気なさにもつながっていた。この作品ではそうしたキャラクター配置に捻りを加えることで、それぞれのキャラクターに人間味が加えられている。
 
 かと言って、娯楽性が損なわれているわけでもない。なにより物語にスピード感がある。企業に跋扈する様々な魑魅魍魎、それぞれのエピソード。ドラマだったら1話~2話、つまり1時間から2時間かけるようなエピソードを、この映画では10~20分くらいで片付けていく。ストレスフリーな展開。
 
 演出的にも合格点。香川照之をはじめとして、池井戸作品ではおなじみの「顔芸」が頻出するのだけれど、『12人の死にたい子どもたち』における黒島結菜の演技のようには浮いていない。それは、この作品の「演技の温度」がきちんと揃えられているからだ。高温の演技も、全体と調和しているから違和感がない。
 
 そうした暑苦しさのなかで、及川ミッチーの気弱さや、朝倉あきのちと抜けたところが、ある種の癒やし効果を生んでいるところもポイント高い。ミッチー、まじ癒やし(≧∇≦)/
 
☆☆☆☆☆(5.0)