マスカレード・ホテル
監督:鈴木雅之
概要
東野圭吾の小説「マスカレード」シリーズ第1弾「マスカレード・ホテル」を実写化したミステリー。連続殺人事件の新たな現場になるとされたホテルを舞台に、エリート刑事とホテルの従業員が犯人を追う。主演は『HERO』シリーズや『武士の一分(いちぶん)』などの木村拓哉、バディ役は『散歩する侵略者』などの長澤まさみ。『HERO』シリーズで木村と組んだ鈴木雅之がメガホンを取る。(シネマトゥデイより)
感想
毎度おなじみ、東野圭吾作品。今回は、東野さんがグランドホテル形式…というよりはむしろ、三谷幸喜(THE 有頂天ホテル)的な作品に挑戦した感じかな*。演出的にもそんな感じ。全編がほぼホテルの中で展開されるという舞台的な設えになっている。
(*主人公二人を中心に話が展開されるから、三谷的な作品に東野スタイルで挑んだといえるかもしれない)
この監督さん、『プリンセス トヨトミ』『本能寺ホテル』といまいちだったけれど、今作の演出にはそんなに気になる部分はない。主演の木村(拓哉)さんもハマっている。彼はこの監督さんの演出に合ってるんだな。『HERO』もこの監督さんの作品だった。
相方の長澤(まさみ)さんもGood。傲岸な男性と鼻っ柱の強い女性というコンビは、「ガリレオ」を彷彿とさせる。フロントの石川恋ちゃんも可愛いし(←)、キャスティング的にも文句なし。多彩なゲスト陣も、三谷的な楽しさに華を添えている。
物語の構造的には、三谷幸喜的な序盤から始まり、段々と東野圭吾的な終盤に向かっていく。クライマックスで明かされる犯行の動機なんかは、いかにも東野さんという印象。謎解き要素もあって飽きさせない。
ただ…思ったのは、東野さん、悲劇は描けても喜劇は描けないんだな…ってこと。少なくとも得意分野じゃない。序盤から中盤にかけて、いかにもイイ話風に紡がれるいくつかのエピソードは、どれも微妙にズレている感じがする。「それ、ほんとにイイ話か?」みたいな。そこの部分をうまく作れていないから、ラスト近辺の言葉に説得力が感じられない。
そんなこんなで、面白いんだけれど、傑作ではないかな。少なくとも、悪い作品じゃない。
☆☆☆☆(4.0)