若おかみは小学生!(5.0) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
若おかみは小学生!
 
監督:高坂希太郎
 
概要
 交通事故で両親を亡くし温泉旅館を営む祖母に引き取られた少女が、若おかみの修業に奮闘する児童文学シリーズをアニメ映画化。劇場版では原作、テレビシリーズで描かれていない両親と少女の物語が展開する。ボイスキャストは、テレビアニメ版と同じく小林星蘭、松田颯水、水樹奈々らが担当。監督は『茄子 アンダルシアの夏』などの高坂希太郎、脚本は『けいおん』『ガールズ&パンツァー』シリーズなどの吉田玲子が務めた。(シネマトゥデイより)
 
感想
 正直、ボクはTV版を見た時点で「これはイマイチだなあ…」と思っていた。だから、ここまで見るのが遅れたわけで…。でも、この映画版はまったくの別物だ。元は同じ作品でも、スタッフが違えばこれだけ違う…ということが、これほど明確な例も珍しい。
 
 「神は細部に宿る」という。特別な作品には、ストーリーとか設定とかキャストとかそれ以前に、「この映画にはちゃんと向き合う必要がある」と感じさせる瞬間がある。
 
 この映画の場合、それは、誰も居ない部屋の薄暗さとか、そこに響く「行ってきます」の声の感じとか、音楽がかかるタイミングであるとか、走り出す主人公を前方から俯瞰で広角レンズで捉えた場面の疾走感であるとか…
 
 そうした些細なひとつひとつのすべてに神経が行き届いている。物語そのものはシンプルな成長物語で、見た目もほのぼの系なのに、弛んだ場面がひとつもない。仄かに感じさせるジブリの薫り。
 
 ちゃんと街が息づいている。ちゃんと人が生きている。たったそれだけを描くのがどれだけ大変なことか、僕らはこの数年で思い知らされてきた。宮崎さんのやってきたことがどれだけ凄いことだったのか。
 
 高坂さんは多くの宮崎作品で作画監督を努めてきた人。この映画は、声高に「ジブリ」を叫ぶわけじゃないけれど、ちゃんとジブリの遺伝子が受け継がれている。僕はそう思う。
 
☆☆☆☆☆(5.0)