響-HIBIKI-
監督:月川翔
概要
マンガ大賞2017で大賞に輝いた、柳本光晴のコミック「響~小説家になる方法~」を実写化したドラマ。突如として文壇に現れた10代の作家が、さまざまな人たちに影響を与えるさまが描かれる。監督は『となりの怪物くん』などの月川翔。欅坂46の平手友梨奈がヒロインにふんし、北川景子、アヤカ・ウィルソン、高嶋政伸、柳楽優弥らが共演する。平手は映画初主演。(シネマトゥデイより)
感想
1.原作
原作はいつだか読んだ。この作品の「天才」は、誰もがひれ伏さざるを得ないような、そんな絶対的な存在…いわば「スーパーマン」だ。握力測定みたいに物差しがひとつしかない。90点の奴は100点の奴には絶対に勝てない。そういう世界観。
でも、芸術って、文芸って、果たしてそんな単純なものだろうか。むしろ僕は、シャガールがピカソを認めなかったというエピソードこそ面白いと思う(文壇にもそういうエピソードは山ほど転がっているだろう)。
2.映画
わざとらしい色彩。なんだこれは…。月川監督の「キミスイ」はあの素晴らしい柳田さんが撮影していた。あの画が見られるなら、それだけで僕は幸せなんだ。でも、はじまってすぐに気付いた。「これ…さては柳田さんの撮影じゃないな…」。才能がない奴の気取った画作りほど見ていてつまらないものはない。
演出も凡庸だ。漫画だったらOKでも、実写だとこの原作の「幼稚さ」が際立つ。実写版『デスノート』なんかに感じられる「幼稚さ」と同質のもの。それをなんとかするだけの手管がこの監督にはない。凡庸な演出と凡庸な画作りで語られる「天才」。これほど退屈なことがあるだろうか。
てちも、可愛らしくはあるけれど、その演技は下手とか以前にやはり退屈だ。抑揚のない喋り方、熱のない表情。それが「響」だと思っているのかも知れないけれど、毒もなく、トゲもなく、ドスも効いてない演技からは迫力が感じられない。「ヤバさ」が伝わってこない。「この映画の主人公、北川景子なんじゃないの?」ってくらいに存在感が希薄だ。
それ以外になにか語るべきことはあったか…? 小栗くんの演技くらいか。あとはなんにも覚えちゃいないな。ああ…ひとつあった。クリシェにまみれた秋元康の歌詞が、ただでさえ陳腐なこの映画にとどめを刺していた。
映画よ、僕をもっと楽しませてくれ。
☆☆☆(3.0)