陰翳礼讃(STU)
1.
昼は明晰さの世界だ。光のなかで、あらゆるものは区別される。木は木で、山は山で、ビルはビルで。そうして世界のすべては僕と対峙する。
夜は詩の世界だ。暗闇のなかで、あらゆるものの境界は消失する。世界は渾然一体となり、すべての存在はその中に溶け込んでいく。
月夜には、微細な違いが姿を現わす。月光と街灯が作り出す陰翳。黒と黒との微細なグラデーション。僕は、その微細さこそを愛す。

2.
今年いくつかあった夏フェス。48でもっとも印象に残ったのがSTUだった。パフォーマンスをする彼女たちの存在そのものが、何かを現していた。今の彼女たちにしか現せないもの。
『暗闇』には、若さとかフレッシュさとか爽やかさという言葉で片付けてしまうなら壊れてしまうような、そんな繊細な世界が存在していた。
16色の黒と黒が織りなす微細なグラデーション。それぞれの黒は決して同じじゃない。本来、個性というのはどれだけ抑圧されても自ずと現れ出てしまうもの。人は自らの魂を燃やすことで、自ずと己の色に輝いている。
僕は、そうした微細な個性の表出をこそ愛したい。