『サマータイムマシン・ワンスモア』 | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


『サマータイムマシン・ワンスモア』(本多劇場)

 上田誠の作った枠組みの中で、メンバーが自由に遊ぶのが「ヨーロッパ企画」の舞台だ。

 仲間内の他愛のない会話。くだらないことに笑い、大騒ぎする。大学サークルの光景を見ているような感覚。それは大学の演劇サークルからはじまったヨーロッパ企画の現実とリンクしている。

 『サマータイムマシン・ブルース』は、懐かしさも漂わせつつ、今を生きる若者のお芝居だった。いくらタイムマシンを使っていても、彼らは今を生きていた。未来は彼らの手の中にあった。






 あれから十数年。『サマータイムマシン・ワンスモア』は、過去にベクトルが向いている。

 普通に社会人になった登場人物たち。しかし、実際の彼らはこの十数年間、ヨーロッパ企画として活動してきた。普通の社会人というリアリティは、上田を含め、おそらく彼らの中にはないもの。

 必然的に…なのかどうなのか、この作品は過去の大学生活にベクトルが向いている。大人になっても、やってることは変わらない。それはどこか『ビューティフル・ドリーマー』…文化祭の前日が延々と繰り返されるような、そんな印象があった。

 わずかな切なさを漂わせつつ…

 それでも、やっぱり「ヨーロッパ企画」の基本は笑いにある。「自力」で戻ってきてしまうくだりや、とある事情で途方に暮れるくだりなど、会場は爆笑の渦に包まれた。あの頃よりきっと、技巧は洗練されている。

 そんな中、現役大学生を演じた藤谷理子の溌剌さが印象的だった。『来てけつかるべき新世界』以来の出演、彼女はやっぱり素晴らしい。いまも目を瞑るだけで、あの声の響きを思い出すことができる。