「マッタ=クラーク展」
マッタ=クラークは、居住性とは別の原理でメスを入れることで、住居という制度そのものを疑ってみせる。居住性を失った「住居」は、その姿を留めつつも、もはや住居ではあり得ない。
この展覧会は、空間それ自体をマッタ=クラークっぽい雰囲気にしているけれど、所詮は美術館制度の内で作られたもの。どこかマッタ=クラークフェス…物産展のような…という感じを受けた。
興味深かったのは、「ヤコブの梯子」という作品。巨大な煙突と大地の間にかけられた長い網のトンネル。

もちろん、ここに定住/安住できるわけじゃない。空と大地の中間にかけられた、もろく、はかない休息場所。空でも大地でもない。自由でも、縛られてもない。その中間にある生き方。

ぼくは、ひと目で気に入った。
マッタ=クラーク展 9.17まで(東京国立近代美術館)
