リメンバー・ミー(4.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
 
リメンバー・ミー
COCO
 
監督:リー・アンクリッチ
 
概要
 1年に1度だけ他界した家族と再会できるとされる祝祭をテーマにした、ディズニー/ピクサーによる長編アニメ。死者の国に足を踏み入れた少年が、笑いと感動の冒険を繰り広げる。監督と製作には、『トイ・ストーリー3』のリー・アンクリッチ監督と、製作を担当したダーラ・K・アンダーソンが再び集結。テーマパークのような死者の国の描写、祖先や家族を尊ぶ物語に引き込まれる。(シネマトゥデイより)
 
感想
 今年はメキシコの年だった。…というのは、別に本田圭佑△の話ではなく。
 
 オスカーでは、メキシコ出身のデル・トロが監督賞と作品賞(シェイプ・オブ・ウォーター)を獲得。さらに、主題歌賞と長編アニメーション賞もメキシコを主題にした作品『リメンバー・ミー』が獲得した。
 
 この背景にハリウッドにおける反トランプ(もっと言えば、米墨国境への壁敷設などをはじめとしたトランプの移民政策への反対)の気運がある…と見るのは、さほど唐突ではないだろう。大ヒットした『ブラックパンサー』においても、主人公ははっきりと「壁のない社会を望む」と演説していた。
 
 映画はいつから政争の道具になったのだろう…それとも、ずっと以前からこうだったのかな…
 
 …という話をふまえて、『リメンバー・ミー』の話。
 
 『トイ・ストーリー3』の監督らしく、感動ごり押しの気が少しあって…そのせいか終盤にややもたつく(最後に「印籠」を出すと誰もが分かっているのに、それをいちいち回りくどくやっているような…)。けれど、そこまで気になるほどではないし、それをのぞけば、ほぼ完璧だ。ストーリーも映像も美しい。
 
 電気以前の照明が持つ仄かな光が印象的。『シェイプ・オブ・ウォーター』では冒頭の水、この映画では街を俯瞰で捉えた時のロウソクの灯、優れた映画制作者は、見せたいものがはっきりしている。このロウソクの灯火はただそれ自体美しいだけじゃなく、お盆かあるいは灯籠流しのように、祖先の霊と結び付いている。死者の世界を描いたという点では『コープス・ブライド』(死者の花嫁)を彷彿とさせるけれど、この映画で主題となっているのは家族のつながりだ。
 
 家族…ファミリー…ファミリア(合ってる?)…ヒスパニック系において、とりわけ重要な意味をもつ言葉。家族のつながりを描いたこの映画は、いかにもヒスパニック系の映画だ…とも言えるのだけれど…。なんだろうな…ここで描かれているメキシコ文化は飼いならされたというか…ありのままのメキシコ文化ではなく、ハリウッドという箱庭のなかにある「メキシコ文化」という感じがする。
 
 『モアナ』でも感じたこと。「多様性」という言葉のなかには、どこまでの範囲が含まれるのだろう。自分たちの思想と相容れない文化は、その「多様性」の中に含まれるのかな…。気にいるものだけを選択的に取り上げておいて、それを「多様性」という名のもとに肯定するのなら、結局さ…やっていることは、自分たちの価値観を押し付けていた時代とたいして変わらんのではないか…という気もする。
 
 なんだか最近、こんなことばっか言ってんな…単にそういう映画が増えたってことなのか…それとも…
 
 まあ、そんな話は置いておいて、これは見ておいて損はない。
 
☆☆☆☆★(4.5)