オリエント急行殺人事件(2.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
​オリエント急行殺人事件 (2017)
MURDER ON THE ORIENT EXPRESS
監督:ケネス・ブラナー
 
概要
 これまで幾度も映像化されてきたアガサ・クリスティの傑作ミステリーを映画化。ヨーロッパ各地を巡る豪華列車を舞台に、世界的な名探偵エルキュール・ポアロが客室で起きた刺殺事件の解明に挑む。『ヘンリー五世』『世にも憂鬱なハムレットたち』などのケネス・ブラナーが監督と主演を兼任。さらにジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、デイジー・リドリー、ジュディ・デンチ、ペネロペ・クルスら豪華キャストが集結する。(シネマトゥデイ)
 
感想
 「オリエント急行」をいまさらリメイクするってことは、それなりの勝算があってのことだろうと、ぼくは思っていた。ネタは分かっていても、なんらかの形で楽しませてくれるんだろうと。まして、「シンデレラ」のリメイクを成功させたケネス・ブラナーだ。
 
 う〜ん…ぼくの時間を返してくれと。
 
 なんだろうな…まずもって、スーシェのポアロに慣れている身としては、ケネス・ブラナーが演じるポアロに、どうも馴染めなかった。なんて言うの…ポアロの子どもっぽさとか、茶目っ気とか、摑みどころのなさとか、そういうのはもう全部どっかへ置いてきちゃったのね。まるでシェイクスピアのセリフでも読み上げるような大仰で重々しく堅苦しい演技。ぼくは眠たくなった。
 
 なんだろうな…えらく退屈だったんだよな。ネタが割れているってのは、別に以前の「オリエント急行」(1974版&スーシェ版)を見た時にも同じだったわけで。これはなんだろう…なにかが…なにかが壮絶につまらない気分にさせた。肝心の推理部分も妙にあっさりしていて、この人、ミステリやるの無理なんじゃないのって。
 
 売りとなっている豪華キャストも「いかにも演技してます」って感じで見てられなかった。ミシェル・ファイファーとか…もうね…見てられなかった。ミシェル・ファイファーがミシェル・ファイファーの顔して、ミシェル・ファイファーの演技をしてた。「ああ、ミシェル・ファイファーだわこれ…」って。
 
 それにさ…公爵夫人がもっと存在感なきゃダメなんじゃないの? そもそも登場人物ひとりひとりの紹介が甘くない? その他のキャスティングもさ…アーバスノットの設定が変更されている辺り、いかにも「今の」ハリウッドだなあ…って。(当時のオリエント急行の一等車ではあり得ない光景なわけで)政治的キャスティングだよねって。
 
 タバコの煙も(咥えている画はあるけれど)漂わないような、健全で健康でクリアな空間。 そうした「コレクトネス」は、「オリエント急行」という言葉が持つノスタルジックな響きをかなり損ねている。スモークも漂わないクリアな車内。映像が美しい? 冗談でしょ。この映画には陰影がない。空気に色がない。
 
 嘘っぽいCG、嘘っぽい風景、嘘っぽい色遣い。盛んに用いられる長回しとか真上から見下ろすアングルの、どうしようもないダサさ。そして、あの「最後の晩餐」…もう嘘っぽさここに極まれりって感じで、感情移入を著しく阻む。なんだこのダサい演出は…って、そっちに頭がいってしまう。ついでにアクションシーンもいらない。
 
 なんなの、これ? いったい、なんのために作ったのさ。単にケネス・ブラナーが「ポアロごっこ」したかったの? はっきり言って、史上最低の「オリエント急行」…ああ、三谷さんのがあったか←
 
(-。-)y-゜゜゜
 
☆☆★(2.5)