キングコング:髑髏島の巨神 (2017)
KONG: SKULL ISLAND
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
概要
キングコングを神話上の謎の島に君臨する巨大な神として描いたアドベンチャー大作。島に潜入した調査隊が正体不明の巨大生物と遭遇し、壮絶な死闘を繰り広げる。監督は、主にテレビシリーズに携ってきたジョーダン・ヴォート=ロバーツ。調査遠征隊のリーダーを『マイティ・ソー』シリーズなどのトム・ヒドルストンが演じるほか、『ルーム』などのブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソンらが共演。巨大な体でリアルな造形のキングコングの迫力に圧倒される。(シネマトゥデイより)
感想
昨年の『シン・ゴジラ』は、作劇におけるコンフリクト(葛藤)や恋愛ドラマの排除、3時間分のセリフ量を2時間に詰め込むなど、これまでのセオリーを外して成功した傑作だった。CGの使い方やレイアウト(カメラアングル)も含め、非ハリウッド的な特撮映画の方向性を示せていたと思う。
今年、ハリウッドがぶつけてきた(わけじゃないだろうけれど)のは、かの『キングコング』だ。これはもう…「ハリウッドの本気を見せちゃる!」ってなもんで。冒頭から、空戦はあるわ、アクションはあるわ、ド派手な爆破はあるわ、キングコングはいるわ…って、そりゃあもちろん居るんだけれど。
南の島が舞台だから、感覚的にはむしろ、『ジュラシックパーク』に近いかも知れない。日常⇔非日常の構図が命の「ゴジラ」とは本質的に異なる。見慣れた景色が出てくるわけじゃないから、スケール感を出すのは難しかった筈だけれど、それでも「おお…」と感じさせる場面はあって。
その上、画的にも設定的にも、『地獄の黙示録』から『失われた世界』から何から、もうゴソっと入れてある。邦画じゃ(予算的にも技術的にも)絶対に撮れんから「脚本の段階で外しましょう…」ってな画が目白押しだ。
それでもチグハグな印象にならない辺りは流石で。話の筋立てはシンプルだし、民間人チームと大佐チームが並行するという構造も(彼らの考え方の違いも)分かりやすい。さらに、たったひとりでいるチャップマンの場面が深みを与えている。
何よりこの映画には力がある。画的な力もそうだし、物語自体もかなりの勢いを感じさせる。「ヘリはもっと高度取れば良いんじゃないの…」とかツッコミどころもあるんだけれど、画的な迫力と物語の勢いがあるから気にならない。終盤に「ID4:リサージェンスかよ…」ってな場面もあるのにね(笑)
これはまた、かなり意図的に野蛮で残忍な作品でもある。死のあっけなさや、その死に方も含めてね。時々、「いま死んだのって、物語的にほとんど無意味じゃない…?」と感じさせる場面もあって、戦慄さえ覚えた。物語のための死じゃなくて、ただ死ぬんだ。小さい子が見たら、ヘタしたらトラウマかも知れん(^_^;)
でもそれは、怪獣/災害/戦争映画においては絶対的に正しい。だって、それらは本来そういうもんだから(意味もないのに死んでしまうからこそ怖いんで)。
クドくないのに胸に残るエピローグも良い。さらに、エンディングロールの最後で「お…?」と思わせておいてからのラストシーンで胸が高まる。
トラウマティックな傑作。
☆☆☆☆★(4.5)