理解できないこと | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


 久しぶりの時事コラム。まあ、前置きはいいでしょう。

1.
 「いますぐ原発を止めるべきだ」とは、ボク自身は思いません。*大臣の判断によって勝手に止めたり止めなかったりとなると、設定基準を越えているのに止めないとか、逆に振れる可能性だってあり得るわけですよ。それはよろしくない。ちゃんとみんなが分かる基準を定めたのだから、それはきちんと守りましょう、ということです。

(*追記:これ少し説明不足かも。原子力規制委が基準に照らして「安全」だと判断している以上、止めるならば、以前、菅さんが海江田さんを通じて浜岡でやったように「政治判断」で要請することになるのだろうけれど…という話)

 …が、気持ちとしては理解できます。想定外の連続地震で、この先どうなるか不安だからとりあえず止めておくべきだ、というね。なので、「いますぐ止めろ」という意見には賛同できませんが、なんらかの新たな判断基準を加えるべきだ、という意見なら賛成できるかもしれません(たとえば、半径100km以内を震源地としてM7.0以上の地震が起こった場合や、所内の直近2日以内の加速度の累計が○○を越えた場合にも即時停止する、とか)

 まあ、「いますぐ止めろ」と考えている人からしてみたら、基準作りとかそんな悠長なことをしている場合か、という話でしょうが。僕は、時間をかけても、ちゃんと基準を作ってやるべきだ、と思っています。

(追記2:せっかく原子力規制委員会という独立性の高い組織を作ったのに、何かあるたびにそれを一足飛びで判断してしまうなら、独立性をもたせた意味がないですよね…と)

2.
 本当に理解できないのは、もうひとつの話。17日、安倍首相が「今日中に店頭に70万食を届ける」と言ったというニュースが流れたのですが、なぜだかこれが槍玉に。どうも、「被災者から金を取るのか!」ということらしいのです(安倍首相の発言をググってみると、そういうサイトがいくつも出てきます)。

 しかし、これは当たり前のことを言っているに過ぎません。倉庫には届いているのに、被災者には行き渡らないということがニュースになっていますが、大前提として、現地で物資を供給するためのいちばん手っ取り早い方法は、すでにあるシステムを使うことです。この場合はつまり、スーパーやコンビニなどの小売ですね。

 もちろん、交通網が寸断されているので、中間(輸送)の部分は自衛隊などが部分的に助けることになるでしょうが、その手前(調達)とその先(供給)は任せてしまって構いません。なぜなら、彼らは調達のためのシステムと供給のためのシステムをすでに持っているからです。

 この供給システムの一部分として貨幣による取引が含まれます。「お金を取る」と言うとイメージが悪いようですが、この場合はむしろ、物資を混乱なく現地の人に行き渡らせるためのシステムの一部と見たほうが良い(それは誰もが慣れ親しんでいるシステムです)。

 店頭に物資が並ぶようになれば、心も落ち着きます。そうすれば、必要以上に買いだめしたり、逆に(どさくさ紛れで)闇値で売りさばこうとしたり、ということがなくなります。そういう面でも、物流を回復させるというのは必要ですし、それを国のトップが明確に口にするというのも大事です。とにもかくにも日常生活を続けられている人も居るわけなので、そういう人には、こうやって安心してもらう。

 その一方、「いや、着の身着のまま出てきたし、家も壊れて帰れないし、お金なんてないよ!」という人も居るわけですから、そういう人には、もちろん無料で配給=炊き出しすべきですし、現にそれはやっているでしょう。

 2連発の大地震によって、想定外に多くの避難者が生じているようですし、物資が届いていない避難所もあるようなので、支援を急がなければならないというのは分かります。でも、支援だけで全部支えようとする方が土台無理な話なんで、支援と物流回復のどちらか片方ではなく、両方、同時にやるのです。

 むしろ、そうしなければ、現状とにもかくにも日常生活を続けられている人だって避難者になってしまうでしょう。なので、自分で立っていられる人には、立っていてもらう。彼らが立っていられるように、手を打っておく。それは別に鬼でも何でもなくて、隣で倒れている人を助けるためです。

 ボク自身は自民寄りですが、必ずしも安倍さん支持というわけではありません。もちろん、彼がすべて正しいとも、今回の震災で完璧な対応をしているとも思いません。でも、今回の発言で非難されるのは、僕にはまったく理解ができません。なにかのアンチになってしまうと、そこまで判断が歪んでしまうのかな…と。