マネー・ショート 華麗なる大逆転
THE BIG SHORT
2015年アメリカ
監督:アダム・マッケイ
主演:クリスチャン・ベイル
概要
リーマンショック以前に経済破綻の可能性に気付いた金融マンたちの実話を、クリスチャン・ベイルやブラッド・ピットといった豪華キャストで描く社会派ドラマ。サブプライムローンのリスクを察知した個性的な金融トレーダーらが、ウォール街を出し抜こうと図るさまを映し出す。クリスチャンとブラッドに加え、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリングも出演。『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』などのアダム・マッケイがメガホンを取る。痛快なストーリーと、ハリウッドを代表する4人の男優の競演が見どころ。(シネマトゥデイより)
感想
原題はbig short。「ショート」って何のことだろうと思って調べたら、要は「空売り」のことらしい。のっけから専門用語が頻出するこの映画。でもご心配なく。セレーナ・ゴメスをはじめとしたセレブ(?)が、例え話で説明してくれる。詳しいところまでは分からなくても、物語を理解するためには充分だ。
このことからも分かるように、この映画は単に実話をもとにしているだけでなく、作りとしても現実に開いている。セレブだけではなく、物語の登場人物さえも、こちらに話しかけてくる。昔からある手法ではあるけれど、ここにはある種の必然性がある。なぜなら、この映画は、この腐った世界の現実を糾弾するから。
「華麗なる大逆転」なんて副題がついているから、たとえば『ラスベガスをぶっつぶせ』のような痛快なものを連想するかも知れない。だけど、この映画はむしろ『エンロン』とか『ヤバい経済学』のようなドキュメンタリーに近い。感じられるのは、やるせなさと憤りだ。見終わった時には、爽快感よりもむしろ、不条理劇を見たあとのようなやるせない気分になる。
いまアメリカ大統領選が話題になっているけれど、なぜ極右みたいなトランプや社会主義者みたいなサンダースがあれほど受けているのか、この映画を見ると分かる気がする。アメリカ市民は怒っているんだ。この不条理な現実に。アメリカン・ドリームなんていまやどこにもないんだと。
だけど、(いつもながら)ボクはうらやましくもある。こういう映画を、ちゃんと娯楽映画として作ることが出来るということに。日本の場合、糾弾的な映画と娯楽的な映画と、その2つがまったく分離している気がする。
☆☆☆☆(4.0)
物語4.5
配役4.0
演出4.0
映像4.0
音楽4.0