信長協奏曲
2016年日本、125分
監督:松山博昭
主演:小栗旬
概要
2014年10月から12月に放送されて人気を博した、石井あゆみの漫画を基にしたテレビドラマの劇場版。戦国時代にタイムスリップした上に、自分とうり二つであった織田信長の代わりを務めることになった高校生の運命を追う。『ルパン三世』などの小栗旬、『大奥』などの柴咲コウ、『S -最後の警官-』シリーズなどの向井理、『ミロクローゼ』などの山田孝之ら、テレビドラマ版のメンバーが一堂に会する。迫力満点の合戦シーンに加え、武将たちの絆や思惑が交錯する熱いドラマも必見。(シネマトゥデイより)
感想
近年、織田信長を扱った作品を多く見かける。まあ、そりゃあ信長さまは魅力的だから、それは当然だと思うけれども←
時には宇宙人になり、またある時は女子高生になり、またある時は未来からタイムスリップしてきた普通の高校生になる。『清須会議』では優柔不断だった池田恒興も、この『信長協奏曲』では爽やかな好青年だ。いまや、史実に忠実かどうかなんてのは問題にならないのかも知れない。
この作品、いちおう(申し訳程度に)史実に寄せようとはしているけれど、まともに考えるとチグハグなところが山ほど出てくる。たとえば、現代からやってきた信長が人道主義者だったりね。太平洋戦争ものの主人公にありがちな人道主義者設定のようないやらしさはないけれど、それでもやっぱり無理がある。
そこで活きてくるのが(これはTVドラマですでに明かされていたから良いと思うけれども)もともとの「織田信長」が明智光秀として、主人公(三郎=信長)に仕えているという設定。たとえば延暦寺焼き討ちはその光秀=信長の仕業になっている。
なるほど…その手があったか…と、言いつつ、それでもやっぱり無理なんだって。だって、信長が非道だったのって、別に延暦寺焼き討ちだけじゃないもの(笑)
まあそんな感じで、まともに考えると楽しめなくなってしまう。だからこれは「お…そう来たか」みたいな感じで楽しむのが良いのかも知れない。歌舞伎に、「世界」と「趣向」という言葉があるけれど、戦国という「世界」にいかに「趣向」が凝らされているかを見る映画だ。
そういう風に考えれば、小栗旬=信長はひとりのキャラとして魅力的だ。他のキャストにおいても、西田征史さんが脚本を書いているだけあって、それぞれの役者の個性を活かしたキャラ作りがなされていて、そんなところも見ていて楽しい。
夜にライトアップされた安土城*が再現されたり、ちとマイナーな天王寺砦の戦い*がフィーチャーされたりと、信長ファンにとっては胸熱な部分もあるけれど、その出来自体は…うん、まあね。予算の問題とかね…あるよね。
☆☆☆☆(4.0)
物語3.5
配役4.5
演出3.5
映像4.0
音楽4.0