亜人 -衝動-(3.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
『亜人 -衝動-』
 
2015年日本、103分
 
監督:安藤裕章
 
主演:宮野真守
 
概要
 新種の不死の人類“亜人”のサバイバルを描いた桜井画門による人気コミックを3部作でアニメーション化。トラックに追突され死亡したものの直後に蘇生し、亜人であることが確認された高校生の主人公が、国家の追跡から逃亡するさまを活写する。総監督の瀬下寛之や監督の安藤裕章、アニメーション制作のポリゴン・ピクチュアズなど『シドニアの騎士』シリーズのスタッフが参加。主人公の声を、人気声優の宮野真守が担当する。サスペンスフルなストーリー展開や躍動感あふれるアクションに期待が高まる。(シネマトゥデイより)
 
感想
 ポリゴン・ピクチュアズは、その名の通り、3DCGによるアニメ制作を得意としている。近年では、『シドニアの騎士』なんかが代表作だ。『シドニア』もこの『亜人』いわゆる「セルルック」の3DCGなのだけれど、のっぺりとして柔らかさのないキャラクターは、どこか人形が動いているように見えてしまう。彼らがかつて3DCGを手がけた『イノセンス』では、意図的に人形的にしていたけれど、『シドニア』や『亜人』の人形っぽさが意図的なのかどうかは分からない。
 
 これはまた、マチエールの問題でもある。たとえば、ディズニー/ピクサー作品では、まるで手で触れられるような素材感が、3DCGに強い実体感…あるいは「生命の幻影」を与えている。それに対して「セルルック」の3DCGでは、セルシェーディング、つまりハッキリと光と影の明暗をつけるし、肌の質感も表現しない(できない)から、よほど上手くやらない限り人形っぽくなってしまう。
 
 アニメってのは、一種の記号表現であって、かなりデフォルメされたキャラクターでも僕らは「人」として読み取ってしまう。でも、ポリゴン・ピクチュアズの3DCGキャラクターはそれ以前に「人形」に見えてしまうから、その間の認識のズレが違和感となる。今作ではモーションキャプチャーを用いているから、認識はいよいよ混乱させられる。デフォルメされた記号的(漫画的)デザインのキャラクター。人形的な3DCG。人間的な生々しい動き。どれかひとつに統一されることがない。だから、気持ちが悪い。
 
 たしかに、こうした違和感は見ているうちに段々と慣れていくものではある。時代が進むに連れ、僕らの目はもっと慣れていくだろうし、もしかしたら、これ自体がひとつの味になるかも知れない。でも、動きや、色の快感…というところからはやはり遠い気がする。見ているだけで気持ちが良くなるものというのはあって、それは慣れとはまた別問題なんだ…と僕は思う。
 
 ストーリーについて触れてなかったな…。じつは『亜人』の原作は読んだことがある。わりと忠実にアニメ化されているんじゃないかな…。描きたいテーマも分からないことはない。ただ、『東京喰種』や『進撃の巨人』に通じるような暴力性は、僕は好きではない。とりわけ、映画館という(逃げ場のない)閉鎖的空間で、こうした暴力性や悪意を2時間にもわたって浴びせられるのは気持ちの良いものではない。まあこれは、単に僕の趣味嗜好の問題になるのだけれど。
 
☆☆☆★(3.5)
物語4.0
配役4.0
演出3.5
映像3.5
音楽3.5