ミニオンズ(4.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
ミニオンズ
MINIONS
 
2015年アメリカ、91分。
 
監督:ピエール・コフィンカイル・バルダ
 
概要
 『怪盗グルー』シリーズで登場し人気を博した、謎の生物ミニオンたちが主人公のアニメーション。正体不明の愛くるしいキャラクター、ミニオンたちの秘密や、グルーとの出会いなどが本作で明らかになる。ボイスキャストを務めるのは『ゼロ・グラビティ』などのオスカー女優サンドラ・ブロックや、『ニード・フォー・スピード』などのマイケル・キートン。世界中を笑いの渦で包み込む、キュートなミニオンたちの知られざる謎に目を見張る。(シネマトゥデイより)
 
感想
 『ミニオンズ』は贅沢な映画だ。
 
 もともと、『トイ・ストーリー』のリトルグリーンメンのようなところがあるミニオンたち。それだけじゃない。「怪盗グルー」シリーズは、時に『ミッション・イン・ポッシブル』のようで、時に『ピンクパンサー』のようで、『サンダーバード』のようで。
 
 今回はそれに加えて、古今東西の歴史から、60年代のアメリカ、そしてイギリス。エリザベス女王にジミヘンにビートルズって、もうまるで博覧会のようだ。ボクが気づいていない元ネタも山ほどあるんだろう。
 
 それでも、ちゃんと調和が取れている。そこがこのシリーズの驚くべきところなんだ。時に活劇的であり、時にサスペンスであり、時にラブロマンスでさえある(前作)。それでも、いつも愉快でドジなミニオンたちのおかげで、このシリーズには一種の軽さが与えられている。
 
 この軽さ。これこそアニメーションにとって(セル調であれ3DCGであれ)本質的なものなんじゃないかと思う。もともと、アニメ―ションのキャラクターは重さを持っていない(人形を用いたアニメ―ションを除く)。それをあたかも重力に引っ張られるように見せるところがアニメーターの腕の見せ所なわけだけれど、本質的には重力に影響されないんだ。
 
 だから、生身の存在よりも、どこか非現実的な存在になる。重さがなく、またゴムのように伸び縮みをする。高い塔の上から飛び降りても怪我ひとつしないような描写は、実写で生身でやると違和感が生じるけれど、でもアニメーションのキャラクターならば自然に見えるんだ。
 
 そして、このシリーズのミニオンたちは、まさにそうした存在として描かれている。彼らは割と酷い目に遭うんだけれど、でも全然、悲壮感がないんだ。そもそも怪我したり死んじゃったりするような存在に見えない。まさにアニメーション的なキャラクターと言える彼らの冒険活劇は、アニメーション本来の魅力に満ち溢れている。
 
 近ごろ/昔から、ディズニーは(もちろんそうした技法も使うのだけれど)自然主義的な傾向があった。『バンビ』はその典型だろうし、また『アナ雪』の自然描写やキャラクターの演技なんかにもそれは表れている。それに対して、ハンナ&バーベラ、のちにはワーナーが作るアニメーションは、より伸び縮みや軽さに焦点が置かれていた(『トムとジェリー』)。
 
 この「怪盗グルー」シリーズは、ピクサー/ディズニー的なキャラクター(リトルグリーンメン)と3DCGの写実性、さらにワーナー的な軽さを兼ね備えている。その点でも良いとこ取りなシリーズ*なのかも知れないけれど、単なる寄せ集めではなく、ちゃんとそれ自体のものとして出来上がっている。予想の斜め上を行くストーリー展開もありきたりじゃない。
 
 まあ、結局のところミニオンがキュートで面白ければ、それで良いんだけれどね。笑える場面もたくさんある(ボクが好きなのはジミヘンの場面)。
 
☆☆☆☆★(4.5)
物語☆☆☆☆
配役(吹き替えなので判定不能)
演出☆☆☆☆★
映像☆☆☆☆★
音楽(吹き替えなので判定不能)
 

 
 

 
*そういえば、ある場面では3DCGじゃなくて人形を用いたストップモーションのように見えるところまであった。その違いをどこで感じたかと言えば、材質のザラザラ感。やっぱり実際の物ってザラザラしているんだ。もちろん、すべすべした手触りの物もあるわけだけれど、実際の物は表面が細かいし一様じゃない。そこへ行くと3DCGはどこかすべすべした印象がある(…とか言ってあれも3DCGだとしたらボクは完全に騙されているな…)。