『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』
AVENGERS: AGE OF ULTRON
2015年アメリカ、142分。
監督:ジョス・ウェドン
主演:ロバート・ダウニー・Jr
概要
ロバート・ダウニー・Jr演じるアイアンマンをはじめキャプテン・アメリカやハルクなど、マーベルコミックスのヒーローが一堂に会するアクション巨編の第2弾。アイアンマンことトニー・スタークが完成させた人工知能“ウルトロン”の暴走に端を発する、ヒーローたちによる愛する者たちを救うための戦いをダイナミックに描く。監督は、前作でもメガホンを取ったジョス・ウェドン。共演にはスカーレット・ヨハンソンら続投組のほか、ジェームズ・スペイダーらが新キャストとして参加。ヒーローたちのバトルやドラマに引き込まれる。
感想
いつも通りのアベンジャーズ。アイアンマンがいて、ハルクがいて、ソーがいて、キャプテンアメリカがいる。アクションは派手だし、CGも凄い。
たしかにバカバカしさはある。突っ込もうと思えば、いくらでも出来る。見どころのひとつになっている韓国ロケも、『ウルヴァリン』で日本が、『トランスフォーマー』で中国が出てきたあとでは、「ああ、そういうアジアマーケット狙いのアレね」と醒めた目で見ることになるだろう。
ただ、今回、強く感じたのは、また少し別のこと。
教訓的な物語にする多くの映画がある。「こういうことをしたら、こういうことになりますよ」的な…聖書の「ソドムとゴモラ」、あるいは「バベルの塔」みたいなね。
あきれるほど何度も何度も(何度も何度も)繰り返されてきた物語。最近では『ベイマックス』なんかがそうだった(あれも途中までは面白かったんだけれど)。
この映画も、一見、そのような物語を作っているように見える。でも、実はそうじゃない。繰り返さない。この映画は「こうしてはいけません」という教訓よりも、むしろ「こうであったら良いね」という理想を語る。
キャプテンアメリカなんて、まさにその典型で、現代では毀誉褒貶があるアメリカだけれど、本来はこういう自分で居たいんだ、という理想像になっている。
だから、後半のありがちな見せ場も、想像以上にこちらの胸を打つ。いつの間にやら評判は地に堕ちて、いつの間にやら悪役になってしまっているけれど、「本当はね…本当は、こうありたいんだ!」というアメリカ人たちの切実な想いを感じ取れるから。
それはやっぱり、彼らは、アメリカ人を…いやもっと言うと、人間というもの、その良心を信じているからだ…とボクは思う。だからこそ、『インタステラー』がそうだったように、『アバウトタイム』もそうだったように、与えられた能力を使うことに躊躇がない。
それでも大丈夫だ…と思っているから。
あるいは、「グダグダ考えてないで、やるだけやれよ(人類は滅びないから)」という点で、それらは『風立ちぬ』や『幕が上がる』で謳われていた「自己中心主義」との親近性を見い出せるかも知れない。
いずれにせよ、そうした部分がこのシリーズの魂なんだ、とボクはこの映画で気付かされた。それはどこかお気楽で楽観的で、『ダークナイト』のような哲学や、『X–men』のようなマイノリティへのまなざしとは異なるけれど、ちゃんとそれらと互していけるものだとボクには思える。
☆☆☆☆★(4.5)
物語☆☆☆☆★
配役☆☆☆☆
演出☆☆☆☆
映像☆☆☆☆★
音楽☆☆☆☆