『博士と彼女のセオリー』
THE THEORY OF EVERYTHING
2015年イギリス、124分。
監督:ジェームズ・マーシュ
主演:エディ・レッドメイン
概要
車椅子の物理学者スティーヴン・ホーキング博士の半生を描いた人間ドラマ。将来を嘱望されながらも若くして難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した彼が、妻ジェーンの献身的な支えを得て、一緒に数々の困難に立ち向かっていくさまをつづる。監督は、第81回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞作『マン・オン・ワイヤー』などのジェームズ・マーシュ。ホーキング役に『レ・ミゼラブル』などのエディ・レッドメイン、妻ジェーンを『あなたとのキスまでの距離』などのフェリシティ・ジョーンズが演じる。(シネマトゥデイより)
感想
このブログでかつて行っていたシリーズ「古典のススメ」第6回が『ホーキング、宇宙を語る』(A Brief History of Time)だった。それから、2004年のTV映画『ホーキング』はボクが5つ星をつけた数少ない映画のひとつだ。
ボクの大好きな「新スタートレック」(87~94)には、ホーキング博士が本人役で出演しているシーンがある。アインシュタインやニュートン(そしてデータ少佐)と並んでポーカーをする。ボクにとって、彼はその頃からすでに伝説的人物だった。
『宇宙を語る』の続編、『ホーキング、未来を語る』(2004)は、弟からの誕生日プレゼントだった。大学3年の時、英語の授業でイギリス人の先生がA Brief History of Timeの作者が誰かを質問した。即座に答えられたのはボクだけだった。
博士は『宇宙を語る』のラストで、哲学がいつしか言葉の問題になってしまったことを嘆いていた。「何であるか」を問う物理学者と、「なぜ」を問う哲学者が同じフィールドで語れなくなったことを嘆いた。ボクはつねにその言葉を胸に刻んでいたけれど…。
と、ボクがここで何を語っているかと言えば、「ボクと博士のストーリー」なわけだ。大抵の人はそんなものに興味はないだろう。
この映画、原題はThe Theory of Everythingなのだけれど、邦題は『博士と彼女のセオリー』になっている。あいかわらずセンスの欠片もない邦題の付け方だとは思うけれど、映画の中身を見ると、じつはこっちの方が近いんじゃないかと思える。
いや…より正確に言えば、「彼女と博士のセオリー」、あるいは「彼女による博士のセオリー」ってとこか…。この映画を見て、ボクは「あれ? 主人公こっち(彼女の方)なんじゃない?」と思ったわけさ。あとで調べたら、まさに彼女が原作を書いていた。
それはそれで、まあそれなりに価値があるとは思うけれど、この映画には、TV映画『ホーキング』にあったような純粋さが欠けている。理論物理学のあの純粋さがね。
『イミテーション・ゲーム』ほど脚色しているとは思わないけれど、これも似たような匂いがする。映画としての質は高いのだけれど、全てを人間ドラマに回収しているような、そんな感じ。
主演エディ・レッドメインの演技は、長期にわたって研究しただけあってさすが。あと、終盤にひとつだけ心を打たれたシーンがあったな(ペンのシーンね)。
☆☆☆☆★(4.5)
物語☆☆☆☆
配役☆☆☆☆★
演出☆☆☆☆★
映像☆☆☆☆★
音楽☆☆☆☆