第7回AKB48選抜総選挙徒然2(須田ちゃん&さっしー) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)


「第7回AKB48選抜総選挙徒然2(須田ちゃん&さっしー)」

 ボクにとって、総選挙でもっとも嬉しかったことがくまのランクインだったとしたら、もっとも辛かったのが須田ちゃんのランクダウンでした。いまだに考えてしまうのですよね。なぜ須田ちゃんは負けたのか…。

 須田ちゃんが負けたと思えるのは、単にランクダウンしただけでなく、彼女の根っこにあった何かがポキっと折られてしまったように感じるからです。

 須田ちゃんでさえ、結果というインセンティブ(誘因)がなければ、アイドルとして頑張り続けることはできない…それじゃあ誰にもムリなんじゃないか…。それはひとつの価値観そのものの敗北にも思えて…。

 この記事を書くべきか迷ったんですが、そのこと自体にちゃんと向き合わないと、ボク自身がモヤモヤしたままだと思えるんですよね。だから、ボクは思っていたことをすべて書きます。

 なので、この記事は須田ちゃんに「こうすべきああすべき」というものでは決してありませんし(そんなことを言う資格はボクにはありません)、あくまでボクから見た須田ちゃんの…もしかしたらそれは、須田ちゃん自身が「須田亜香里でいようとしすぎた」というその須田ちゃんに近いのかも知れませんが…話です。

1.
 選挙後、彼女の言葉を聞き、ブログを読み、須田ちゃんの考え方が少しだけ分かった気がしました。

 須田ちゃんは、「全力で頑張ったから悔いはない」と言っていますよね。これ、前にも似たようなことを聞いた気がしたのですが…思えば、例の「めちゃイケ」でも(恋愛スキャンダルがあっても)「やることちゃんとやっているから誰も何も言わない」と言っていました。
(その後に「アイドルは恋愛すべきじゃないと思っている」というブログをあげていましたけれどね)

 つまり、須田ちゃんという人は、ちゃんとやっていれば、それだけである種の「資格」を得ると考える人だと思うんですよね。それは「須田イズム」とでも呼べるものかも知れません。そして、「須田イズム」では、全力で頑張ることでアイドルとしての資格を得る…ことになる筈なんですが。

 けれど、残念ながら、ヲタというのは、必ずしもそう考える人ばかりではありません。そこのところにボタンの掛け違い…あるいはヲタと須田ちゃんの間のズレがあったのかな…と(選挙後にあげた「叶えられなかった祈り」という記事はそのことについて書いています)。

 (あくまで)ボクから見て、須田ちゃんはこの1年、少なくとも2度、アイドルとして失点があったと思います。もちろん、それが票数を減らした理由とイコールであると言うつもりはありませんし、ボクが勝手にやっている「想像上のLand’s berry総選挙」ではむしろ順位を上げ、神7入りを果たしてもいるのですが…。

 それでも、少なくとも今年の総選挙の結果を考える上で、須田ちゃんにマイナス要素がないわけではなかった…ということは押さえておいて損はないでしょう(それはこれまでの須田ちゃんのやり方が正しかったかどうかという問題に直結します。やり方自体が間違っていたのか、それともやり方は正しかったのだけれど、どこかに掛け違いがあったのか)。

 意外とダメージがあった…と思うのは、それらの「失点」がアイドルとしての考え方の問題だったからです。ミスならば誰でもありますし許せもするでしょうが、考えが異なってしまえば一緒に歩いていくことは難しくなります。

 例の「めちゃイケ」の際の(ある種の恋愛容認)発言はその典型的なものでした。須田ちゃんはブログですぐに否定していたわけですが、実際にああいう発言がテレビで流れちゃっている以上、表と裏とで言っていることが違う人(裏表のある人)と思われてしまったかも知れません。それがひとつ。

 昨年8月に舞台のために髪を染めた際も、「全力で役に取り組むため」と言っていたのは、いかにも須田ちゃんらしかったのですが、その一方で、「アイドル人生で髪を染めるなんて想像もしたことなかったけど」と、「アイドル」という言葉に背を向けたことは、ボクには少なからずショックでした。それがもうひとつ。
(そのことについて、かなり厳しい記事を書き、ただあまり水を差したくもなくて、お蔵入りにしたこともありました)

 須田ちゃん自身は、2015年の6月6日で「アイドル須田亜香里は死にました」と言うわけですが、じつは、この頃からすでに、須田ちゃんの中で「アイドルであること」と「全力で頑張ること」がどこか乖離し始めていたのではないかと、ボクは思っているんですよね(全力であるために、自らのアイドル像に背を向けて髪を染めたわけですから)。

 そして、(全部ではないにせよ)ドルヲタというのは…ボク含め…身勝手なもので、勝手に「アイドルであることを全力で頑張る須田亜香里」を期待し、そして勝手に失望していきます。

 とりわけ2013年頃の須田ちゃんは、「全力アイドル」という、ある種の神秘性を身にまとっていました。身にまとっていた…というより、ボクらがそうしたラベルを彼女に貼り付け、(まさに偶像として)祭り上げていたと言った方が良いのかも知れません。

 2013年~2014年、相次ぐスキャンダル、マジを失っていく48のなかで、「全力でアイドルである子」をボクらは求め、そうして須田ちゃんに白羽の矢を立てたのです。ちょうど、(渡辺)麻友に「完全無欠のアイドル」というラベルを貼り付けたようにね。

 彼女たち自身、そう振る舞っていた部分もありますし、それはお互いにとって幸せな時代でもあったでしょう。

 しかし、そうした偶像としての重みに耐えきれる人間など居ない…のかも知れません。つねに自らのイメージの重みと戦い続け、やがては刀折れ矢尽き、その重みによって押しつぶされていく。難しいな…と思うのは、自分の背に何かを背負おうとする人ほど、やがてその重みに潰されていってしまう…ということです。

 そして、お互いの望みが乖離し始めると、ボクらは無情にも、今度は彼女たちをその玉座から…偶像の座から引きずり降ろすのです(麻友が「脱アイドル」とか言った瞬間に見放すわけですよ…ボク自身…)。

 昨年の夏、ボクが厳しいことを書いたのも、ボクが勝手にそうした須田亜香里を…ボクらのために戦ってくれる須田亜香里を…期待していたからに過ぎないのかも知れません。
(あの記事でボクは、須田ちゃんを「こちら側(アイドル原理主義者)の旗頭だと思っていた」と書いています)

2.
 去年の選挙で、ボクらが、さっしー(指原莉乃)に「ヒール」のラベルを貼り付けたのも、同じような理屈だったのかも知れません。彼女に「ヒール」のラベルを貼り付け、麻友に「正義の味方」のラベルを貼り付け、失われた勧善懲悪の物語を取り戻そうとした…。

 そして、それは叶えられたわけですが…それと引き替えに、さっしーの心に傷を負わせてしまった…。

 ボクは、自分たち…少なくとも自分が、無条件でアイドルを幸せにできるような、そんな祝福された存在だとは必ずしも信じていません。それはどこか呪われた関係であって…だからこそ、ファウストの望みを叶える代わりに彼の魂を奪おうとした悪魔メフィストフェレスに、自らをたとえもするわけですし。
(『ファウスト』の物語の結末のように、最終的に倒されるべきは、ボクら自身なのかも知れません)

 まあ、さっしーという人はさすがにしたたかで、今度は自らに新しいラベルを貼り付けたわけですよね。それはもともと彼女が持っていたラベルではあるのですが、それを前面に押し出し始めたのです。それはすなわち、「弱者の味方」というラベルです。

 彼女は言いましたよね。「全国の落ちこぼれの皆さん、私の1位をどうか自信にかえて下さい!」と。

 前回は正義の王(可愛いは正義)に倒されたけれども、じつは自分こそが…「ブスで貧乳で、いいところは本当に少ない」自分こそが…「こんなに自分に自信のない」自分こそが…じつは「弱いものの味方」なんだと。

 このポジション取りが上手いと思うのは、48を支えている層ってのが、そうした「自分に自信のない」人たち(ボク含めて)で構成されているからです。さっしーはまさしくボクらのアイドルであって、だからこそ一番強いんだ…ということ、それがハッキリ分かった気がしました。

 それくらい、あの言葉には力がありました。ボク自身、もう長いものに巻かれて、「さっしー推し」になっちゃおうか…と(一瞬)思ったくらいにね。それに、この選挙期間中…いや、そのもっと前から…この人には敵わないな…と思わされたことも何度もありました。

 それでも…それでも、きっと重みに耐えることは出来ない。さっしーは「先は長くない」って良く言ってますよね。あれ、戦略的な問題もあると思うんですが、それ以上に本音の部分…精神的な部分もあると思うんです。

 誰しもがやがて、アイドルを辞める日がくる。それは身体的な面よりも、むしろ精神的な面で限界が訪れるからなのかも…知れないと…ボクは最近よくそう思います。

 そうしてボクらはまた、新しい偶像を求め、それを貪り続けるのでしょう。魂を求め続ける悪魔のように、処女の血を求めて夜な夜な彷徨うドラキュラのようにね。

3.
 須田ちゃんに話を戻せば、これを乗り越えてきたらもう一段階強くなるだろうとは思いますが…あの姿を見せられてしまうと、「乗り越えろ」なんて簡単には言えないです。

 須田ちゃん自身は、これから「人間須田亜香里として、アイドルをやっていく」と言っていますが、それをどうこう言う積もりも、その権利はボクにはありません。実際どういう風になっていくか分からないので、楽しみでもありますが、同時に不安でもあります。

 ただ、ボクは「アイドル須田亜香里」ちゃんに「ありがとう」を言いたいです。そういう資格もないかも知れませんが…これまで須田ちゃんを見ていて楽しかったし…色々なものをもらった気もしますし…「これまでアイドル須田亜香里で居てくれてありがとう」って。そう言いたいです。

 …それは単に、メフィストフェレスの贖罪のための偽善の言葉なのかも…知れないですが。ボク自身、いまだ混乱しているんです。自分でもびっくりするくらいね。