イニシエーション・ラブ
2015年日本、110分
監督:堤幸彦
主演:松田翔太
概要
ベストセラーを記録した乾くるみの小説を実写化した、異色のラブストーリー。恋愛下手の大学生と歯科助手の出会いを描く「Side-A」、遠距離恋愛を経て彼らの関係が終わるさまを追う「Side-B」の2部構成でつづられる。監督は、『20世紀少年』シリーズなどの堤幸彦。主人公の男女を、『ライアーゲーム』シリーズなどの松田翔太と『もらとりあむタマ子』などの前田敦子が快演。ラスト5分でラブロマンスからミステリーに転じる作風に意表を突かれる。(シネマトゥデイより)
感想
う~む…
1.
小説に文法があるのと同様に、映画にも文法というものがある。この映画は、その映画文法を逆手にとった、いわば「映画版の叙述トリック」を用いた作品*で、そこから引き出される衝撃のラストが売り…なんだろうけれど。
*(正確には小説文法の叙述トリックを映画文法に翻訳した叙述トリックを用いた作品)
これは本当に申し訳ないんだけれども、ボクはその「叙述トリック」が仕掛けられた瞬間に分かってしまったんだよな…。
仕掛けるとしたらあそこしかないだろうし、それ以外のところでも、あちこちに「気づいてください」と言わんばかりにヒントが散りばめられているから、あれは気づくよな…と。
その上、この映画では最後にネタばらし的なことをやるんだけれど、それがいかにも「じつはね!じつはね!(* ̄艸 ̄)」みたいなウププ感が満載で。でも、こっちはもう全部分かってしまっているから、その滑り具合が(ボクにとっては)半端なかった。
舞台などと違って、映画はこっちの反応を見て進行を調整するわけにはいかないから、そういう意味では怖い。
2.
結局、ボクは答え合わせみたいな感じで見ることになったのだけれど、それって犯人を知ってから推理小説を読むようなもんで、自然と他の要素に目が向かざるを得ない。たとえば情景描写とかね。
この映画では、そこのところに80年代要素が効いている。そのため、答えが分かってしまっていても、まあそれなりに見ることは出来る。その辺はさすが堤監督ってことかな。あと、静岡が舞台ってところも個人的には高ポイント(笑)
3.
肝心のあっちゃんは…どうだろうな。ミステリー要素が除かれてしまえば(鑑賞者がトリックに気づいてしまったら)、この映画は画で惹きつけるしかないわけだけれど、そこでもう少し惹きつける力が欲しかった。
80年代アイドルみたいな雰囲気は悪くないと思うし、演技なんかはむしろ良かったと思う。ただ…なんというか、画としてグッと惹きつける力がないというか。(あっちゃんがその雰囲気を漂わせている)実際の80年代アイドルでも、たとえばこの前見た『スケバン刑事』の斉藤由貴さんなんかはものすごく画の強さがあったから…余計にそう感じた。
もともと、ボクがあっちゃんは舞台向きだと思っているのもその辺なんだよね。画の力が弱いというか。この映画では「取り立てて可愛いわけでもない普通の子」って設定だからそれで良いのかも知れないけれど、なんか気になったな。
(これ、美人かどうかって話をしているみたいに聞こえるかも知れないけれど、たとえば黒木華さんなんかは、飛び抜けて美人というわけではないけれど、画の力はものすごくあるから、単純に美人=画の力がある、ってわけでもないとボクは思っているんだよね)
☆☆☆★(3.5)
物語☆☆☆★
配役☆☆☆★
演出☆☆☆☆
映像☆☆☆
音楽☆☆☆☆