『偶像のかなた41』
荒井優希
(SKE48/ドラフト1期生/チームK2)
「Genius」
荒井c「ゆきは鳥さんとは違います賢いです」
ちゅり「鳥は賢いです。」
荒「でも後ろ歩きできない!」
ファン「荒井ちゃんは後ろ向きで歩けるの?」
荒「できる!!!」
ファン「優希ちゃん、飛べる!?」
荒「飛べない…」
荒「負けた」
荒「飛べないゆきはただのゆき」
荒井ちゃんは不思議な子だ。
思い出すのは、去年の『SKE48学園』。『S学』ってのは、SKEの初期から続いている割に、あまり話題にならない番組だけれど、ボクは評価していて。外ロケが多いから、メンバーの自然な表情が見られるんだよね。
荒井ちゃんはそこで、スタッフの悩み相談に、サラッと笑顔で毒舌を吐いたんだ。狙ったとか何とかじゃなく、ごくごく自然と出てきた感じだった。だから嫌みにも感じなかった。
京都出身で、一見フワッとしているような荒井ちゃん。じゃんけん大会の予選では、ひょんさんという超大物に勝って、「うれしい」と屈託のない笑顔を見せていた荒井ちゃん。
その荒井ちゃんがあの場で見せた、あの何気なく吐いた毒舌。それは、荒井ちゃんという存在の面白さに、ボクを気づかせるのに充分だった(基本、ボクは素直な子が好きなのかも知れない)。
なんっか、面白いんだよな~…。
昨年12月のニコ生連続放送では、(神門ちゃんゆづと一緒に)そのひょんさんと組んだものの結果を残せず、次の時間帯に泣きながらみえこ姉さんに連れられてリベンジに現れた。
わりとすぐ泣く…けれど、その涙には変な悲壮感がないんだ。見ているこっちが暖かい気持ちになるような、そんな涙。
とりわけ傑作だったのは、今年の生誕祭。スピーチを始めたところで、これまた泣き出しちゃった荒井ちゃん。感極まって…とかじゃない。ホントにイヤだったらしいんだ。生誕祭がイヤで泣いちゃう子なんて、前代未聞だった。
(当日のスピーチ)
私は自分だけにスポットライトが当たっているというのが本当に嫌いで‥1年前の生誕祭が凄くトラウマで、今日が来るのが凄く怖くて、一人だけ目立つというのも凄く嫌だし、光が当たるのも凄く嫌い。去年の生誕祭の時から次来るのが凄く怖くて、ずっと毎日考えて、最近になって凄く実感がわいてきて、後3日、後2日って‥凄く怖くて。でも今日は来るもので‥起きてみたら今日になっていて凄く嫌でした。昨日もググタスで、お誕生日17歳になりましたって書いたんですけど、そこで書き過ぎると、今日言うことが無くなってしまうので‥1つ1つの事が全部生誕祭に繋がってしまって、本当に嫌いです。
字面にすると、なんかエラい重く感じるけれど、実際にはそんな感じじゃなかった。ひとりでスポットライトを浴びるのが嫌だったという荒井ちゃんを、K2のメンバーが取り囲む。本人は泣いちゃってるのに、どこか不思議な暖かさに包まれていた。
ホントにゴメンだけれど、あんな面白い涙は久しぶりに見た…あれは…忘れらんないな。
その日の夜。メンバーみんなでスポットライトを浴びている生誕祭の写真を、755に載せて、「やっぱりスポットライトはみんなで浴びなきゃ」とご機嫌だった荒井ちゃん。その755では、よくファンに、「握手会に来てください」、「フォローしてください」なんて言っている。
目立つのはイヤだけれど、どうも、人気が欲しくないわけでもないみたいなんだ。そこが荒井ちゃんの不思議なところで。ボクなんかはつい、「人気が欲しい=目立ちたい」と思いがちなんだけれど、荒井ちゃんにとっては、その2つは別ものなんだよね。
荒井ちゃんの不思議さって、そういう枠…あるいは固定観念に囚われていないってことだと思う。個性的と言いながら、その実、個性的という枠に囚われているだけの人を見かけることがあるけれど、荒井ちゃんが個性的だ…という時には、もっと自由な薫りがする。
『S学』での毒舌も、生誕祭での号泣もそうで、「こういうところでは、こういう風にしなきゃいけません」みたいな固定観念に、良い意味で囚われていないんだよね。
固定観念に囚われない発想ができること、ボクらはそれを「天才」と呼ぶ。
一歩間違えれば危険なのだけれど、荒井ちゃんの場合、その辺のバランスは意外にしっかりしている。「生誕祭がイヤだった」と泣いたけれど、「ファンがお祝いしてくれるのがイヤだ」なんて決して言わなかったし、その気持ちにはちゃんと感謝していた。
だから、あれでイヤな想いをした人はいなかったんじゃないかと思う。
「天才とは99%の努力と1%の閃きだ」と言ったのはエジソンだったか。最近では数々のポジションをこなし、他チームの公演にも出ばり、公演番長としての活躍も見せている荒井ちゃん。どうも、「一回踊って寝て起きたら覚えてる」そうな…。
その能力、ボクも欲しいわ!(笑)