『KANO ~1931海の向こうの甲子園~』
KANO
2014年台湾、185分
監督:マー・ジーシアン
主演:永瀬正敏
概要
日本統治下の1931年に台湾代表として見事甲子園出場を果たし、決勝まで進出した台南州立嘉義農林学校の実話を基に描く感動作。『セデック・バレ』2部作などを手掛けたヒットメーカーのウェイ・ダーションが製作総指揮を務め、野球を通して友情と強い絆を育む監督と部員たちの熱いドラマを活写する。永瀬正敏が鬼監督を熱演し、彼の妻を坂井真紀が好演。民族の壁を越え、一丸となって戦う球児たちのひたむきさと純真さに心打たれる。(シネマトゥデイより)
感想
最近、『42』とか『バンクーバーの朝日』、『ミリオンダラー・アーム』もそうかな。実話を基にして、異文化とか異人種と野球をテーマに描いた作品が多い。本作『KANO』は、植民地時代の台湾が舞台だ。
出征軍の兵士が登場し、技師八田與一の功績が描かれる大きな時代背景の中で、甲子園出場という小さな物語が紡がれていく。
映像表現はちと拙く、そして不器用だ。CGはもう「CGです」って感じだし、合成も合成であることが丸わかりだ。それに、『タイタニック』やら他の名作に影響を受けていることがあからさまな場面もある。邦画だったら、たぶん照れ臭くてやらないだろう…っていうね。
ただ…まっすぐさは感じる。「こういう画が欲しいんだ」ってね。良いものは良いんだっていうその姿勢には、ある種の清々しさがある。この清々しさが、この映画全体を貫いている。
移りゆく時代の中で、植民地時代という(ある意味では)暗い時代の中で、戦争という影が忍び寄る時代の中で、それでもなにか清々しいものがあるというか。空・水・土の…なんと言うか…清らかさとエネルギーというか、そんなものを感じさせる。
人種的なあれこれは、現代の台湾においてさほどアクチュアルな問題ではあり得ない(もはや日本人は外人としてしか存在しない)からかも知れんけれど、さほど前景には出てこない。むしろ、植民地台湾に暮らす様々な人が(日本人も漢人も「蕃人」も)一致して宗主国に乗り込んでいくというか、そういう視点の方が強いように思う。
そういう視点で見れば、これは快作と呼ぶに相応しい。永瀬さんもカッコいいしね。3時間という上映時間も気にならない。
☆☆☆☆(4.0)