『ANNIE/アニー』
ANNIE
2014年アメリカ、114分。
監督:ウィル・グラック
主演:クヮヴェンジャネ・ウォレス
概要
ミュージカル「アニー」を、『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたクヮヴェンジャネ・ウォレス主演で映画化。舞台を現代のニューヨークに移し、いつか両親に再会できる日を信じてけなげに生きる少女の姿を追う。共演は、ジェイミー・フォックスとキャメロン・ディアスら。『ステイ・フレンズ』などのウィル・グラックがメガホンを取る。製作を務めるウィル・スミスとJAY Zがプロデュースした「トゥモロー」のほか映画オリジナルの楽曲も加わり、魅力的なキャストによるパフォーマンスに期待が持てる。(シネマトゥデイより)
感想
画面上のあらゆる音が音楽になっていく。それはミュージカルというよりストンプ。(画面内に)閉じられている世界の中で、音が作られてある…ということ。自然な日常性と作為性という2つのベクトルを違和感なく捉えるためには、少しこちらの慣れが必要だ。
宣伝では『レ・ミゼラブル』の名前が出ていたけれど、これはそういう本格的なものよりもむしろ、『ハイスクール・ミュージカル』とか、ああいうお気楽系ミュージカルに近い。基本的に笑える場面が多い(マイケル・J・フォックスのくだりとか凄い好き)し、嫌な気分になるようなこともない。
海外のレビューサイトでは酷評が多いみたいだけれど、それは元になったミュージカルと比べるせいかも知れない。2010年代のニューヨークに舞台が移され、お気楽なテイストが施されたことで、深みのようなものが損なわれたというのは、きっとあるんだろう。ただ、ボク自身はもともと見たことがないから、そこはさして気にならなかった。
主人公アニー役の子は、さして美人でもないし、ひとりで映っている時はさして魅力的だとも思えないんだけれど、他の人といる時はとてもキュートに思える。そんな不思議な子だ。そして、何より歌がうまい(当たり前だけれど)。
蓮っ葉な女を演じたキャメロン・ディアスは酷評が多いみたいだけれど、なんか、キャメロン・ディアスってだけで叩かれているような気がしなくもない。ボクはそんなに悪くは感じなかった。ロックテイストのソロ曲はむしろ、この映画の中で一番カッコよかった。
そして、なによりの収穫はローズ・バーン。『恋する宇宙』のヒロインや「X-MEN」のモイラ役で(ぼくにとっては)お馴染みだけれど、この映画でもその魅力を存分に発揮している。落ち着いた演技と跳ねた演技を両方こなせるのが強い。屋上のシーンなんて、もうそれこそ『ハイスクール・ミュージカル』。女子高生かと(笑)
そうそう…字幕で見たのに(日本版だけ)EDが平井堅さんだったのは頂けないな…それは平井さんが悪いってよりも、そこでいきなり異分子(日本サイドのプロモーション)が入ってくることで、世界が破たんしてしまうって感じ。なんでそういう余計なことをする。
まあ、まるで無関係な「レミゼ」と「アナ雪」を前面に出した宣伝からして趣味が悪いと思ったけれどね。最近、この手のプロモーションの程度の低さが目に付く。
☆☆☆☆★(4.5)