紙の月(3.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
『紙の月』
 
2014年日本、126分
 
監督:吉田大八
 
主演:宮沢りえ
 
概要
 銀行勤めの平凡な主婦が引き起こした大金横領事件のてん末を描いた、『八日目の蝉』の原作などで知られる直木賞作家・角田光代の長編小説を映画化。まっとうな人生を歩んでいた主婦が若い男性との出会いをきっかけに運命を狂わせ、矛盾と葛藤を抱えながら犯罪に手を染めていく。監督は、『桐島、部活やめるってよ』などの吉田大八。年下の恋人との快楽におぼれ転落していくヒロインの心の闇を、宮沢りえが体現する。(シネマトゥデイより)
 
感想
1.
 こういう映画は倫理的な側面が話題になるだろうけれど、それにはあまり興味を持てなかったな…。この主人公、そもそもからして倫理観がないわけで、どうにも感情移入ができない。感情移入できない人の内面なんて興味ないわけで、「あ…そうですか」と言うしかない。
 
 そうして突き放して見てしまうから、カタルシスをあえて作らずに、ラストに鑑賞者の心にしこりを残すような物語展開も、その裏にある文学的意図というのかな、それを考えてしまう。ただ、深く考えさせられるかと言えばそうでもなくて、(偽)善という主題と自由という主題がうまく結びついておらず、チグハグな印象を受けるだけ。
 
 回想場面の話も、結果としてそれが善かったかどうかなんて、作家のさじ加減ひとつなわけで、ラストなんかただの妄想にしか見えなかったな。どうでもいい人の妄想話を延々と聞かされたみたいで、「ボクはなんでこれを見ているんだろう」という気分になった。
 
 なんか…そういう意味では、これは(少なくともボクにとっては)壮絶にどうでもいい話。
 
2.
 じゃあ、物語を離れてはどうか。この映画、映像は割りと良い。淡い感じがなにかこう…この世界の嘘っぽい感じを出していてね。
 
 だけど、それよりなにより、この映画を引っ張っているのは、宮沢りえさんをはじめとする女優陣。宮沢さんは美人すぎないのが良い…と思って見ていたら、途中から女優オーラが半端ない。それとは対照的な役を演じ切った小林聡美さんもさすが。
 
 …で、問題の優子は…( ..)φ
 
 結論から言えば、意外と悪くない。少なくとも『SPEC』の時のような酷いことにはなってない。あの時は役を作ろうとして失敗した感じだったけれど、今回は役を自分の方に引きつけて上手く行った感じかな。
 
 軽っぽい感じなんだけれど、もともと役自体がそういう感じの役だから、かえってハマッているんだよね←たまには褒める(笑)
 
☆☆☆★(3.5)