アバウト・タイム ~愛おしい時間について~(4.5) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』
ABOUT TIME
 
2013年イギリス、124分
 
監督:リチャード・カーティス
 
主演:ドーナル・グリーソン
 
概要
 タイムトラベルの能力を持つ家系に生まれた青年が意中の女性との関係を進展させようと奮闘する中で、愛や幸せの本当の意味に気付くヒューマンコメディー。『ラブ・アクチュアリー』などで知られるラブコメに定評のあるリチャード・カーティス監督が、恋人や友人、家族と育む何げない日常の大切さを描く。『ハリー・ポッター』シリーズなどのドーナル・グリーソンを主演に、『きみに読む物語』などのレイチェル・マクアダムス、『ラブ・アクチュアリー』にも出演したビル・ナイらが共演。(シネマトゥデイより)
 
感想
 イギリスって国の心地よさってものがあると思う。イギリス発祥のサッカーを愛し、競馬にのめり込み、ブリット・ポップにハマり、マクラーレンに憧れていたボクにとって、イギリス的なもの…というのは、じつはアメリカ的なものよりも親近感がある(好きな俳優はヒュー・グラントだし)。
 
 アメリカ的なものが単純さや活力を表しているとしたら、イギリス的なものはもう少しだけ複雑だ。それは、これまでの長い歴史の積み重ねによって出来ている。場面場面で言うべき事柄、やるべき事柄が決まっているという感じ。そこは、規則よりもっとシリアスなもの、慣習によって支配される世界だ。
 
 恋愛を描くときも、恋愛そのものにフォーカスする傾向の強いハリウッドとは異なり、家族や友人たちといった周辺的な要素が大きなウェイトを占めている。恋愛だけがポンッとそこにあるのではなく、いろんなものの関係性のなかで恋愛があるという感じ。
(だから、この日本語版予告編は完全に間違ってる)
 
 それにしたがって、彼らは恋愛をもっと複雑にシニカルに、そして人生の悲しみのようなものとともに描く。悲しみというと少し違ってしまうのだけれど。春夏秋冬とともに描くと言ったら良いのかな。
 
 タイムリープという点では、ループものに近い構造がここにはあって、ハリウッドの名作『恋はデジャヴ』(1993)を連想させるところもある。けれど、そうした数々の点によって、このふたつはまったく異なる作品に仕上がっている。
 
 『アバウト・タイム』では自らの意思でタイムリープが出来るけれど、大きなことを変えられわけじゃない。だから、ほんの些細なことを充実させていく。そのことにタイムリープを使うことにまったく躊躇がない…というのが少し新鮮だ。そうして枝葉を充実させていくだけで、人生はこんなにも輝くんだって…まあそれは良いか。見れば分かること。
 
 それにしても、この映画…どこか『フォーウェディング』を連想させるところがある。と、思っていたら、まさにその脚本家リチャード・カーティスの作品だった。リチャード・カーティスって(イギリスで活動しているけれど)ニュージーランド出身なんだよね(^_^;)
 
 そういう何か少し外したところも、逆にカーティス流のイギリスっぽさなのかも知れないな…と。
 
☆☆☆☆★(4.5)