イン・ザ・ヒーロー
2014年日本、124分
監督:武正晴
主演:唐沢寿明
概要
特撮作品などで、ヒーローや怪獣のスーツ、着ぐるみを着用し演技をするスーツアクターを題材にしたヒューマンドラマ。25年にわたってスーツアクター一筋の男の姿を、若手俳優との絆やハリウッド映画出演などを交えながら映し出していく。メガホンを取るのは、『EDEN』『モンゴル野球青春記』などの武正晴。『20世紀少年』シリーズなどの唐沢寿明が主演を務める。共演は福士蒼汰、黒谷友香、寺島進ら。作品に命と懸ける者たちの生きざまに迫った熱いストーリーもさることながら、スーツアクター界の内幕描写の数々も興味深い。(シネマトゥデイより)
感想
クサい。クサすぎる。
…そして、超カッコイイ。この「超」の字を使いたくなるくらいカッコイイ。ジャジャンジャーンって効果音付きでね。こんなカッコイイ邦画の「ヒーロー」は久しぶりだ。だって、武士なんだもん。ヒーローなんだもん。
たしかに、これは作られた裏方さん*かも知れない。スーツアクターを演じるのは、あの「唐沢寿明」さんで、その裏では本当の裏方さんが支えている。だから、この裏方さんはホントは表方で、そういう意味では、これはウソの裏方…作られた裏方さんだ。
(*スーツアクターは裏方じゃないし、表方も本来はそういう意味じゃないから、正しい用法ではないのだけれど、ボクが言いたいことは伝わるかなと)
でも…それで良いんだって思える。そうしてみんなの力が合わさって映画ができる。この映画はそういうことを考えさせる。見終わった後には、誰しもエンドクレジットに目を凝らすだろう。そしてそこにスーツアクターの名前を見出して、なんか納得するんだ。「ああ…この映画もこうして作られているんだな」って。
そうした人たちのカッコよさを、この主人公は背負っている。だからカッコイイんだ。
キャスティングにしても、実際にスーツアクター経験のある唐沢さんや寺島さんを起用する辺りに、この映画の心意気を感じる。この映画には、とてもくさいあのセリフが良く似合う。そう…「映画を愛する」って(↓のダイジェスト映像にも使われている)あのセリフがね。
こういう映画が、あの『ルパン三世』と同時期に公開されていることは、なにか皮肉なものを感じる。カッコつければカッコイイと思っている、あの映画と…好き勝手やっても、「ルパン」だと言い張れば、それなりに元は取れるっていう、あの映画とね。
だから、ボクは言おう。あの映画を見て心が曇ったものはみな、この映画を見るべきであると。さすれば心は浄化されん。
ただひとつ。音楽だけはいまいち。ここまでやるんだったらさ、佐々木功さんとかで良かったんじゃないのかな。そこが上手く行ってたら、これ(ボクの邦画レビューでは、ほとんど異例とも言える)5つ星だったな…。
☆☆☆☆★(4.5)