「卒業式の帰り道」
(夢日記)
夢を見た。
卒業式…と言っても堅苦しいセレモニーじゃない。
どこだかの体育館に集まって、なにかのイベントを行っている。式が終わり、それでもみんなが名残り惜しく集まっているなか、ボクはそっと抜け出す。荷物が置いてある2階への階段の途中で、ふとクラスのみんなを振り返る。
それに気づいたアミが、悪戯っぽい表情をしながらこちらを睨む。分かってるよ…「こんな時くらい、そんな早く帰らんでも…」ってことね。ボクはカメラを取り出して、そんなみんなの画を一枚だけカメラに収める。
雑然とした荷物置き場で自分の荷物を持ち上げながら、ふと、「ボクは薄情者って思われているだろうな…」と考える。いつも真っ先に帰ってしまうキャラクターだと思われていることが、ボクにとって気楽だというのは確かだ。
やはり早抜けした他クラスのヤツが、帰り支度をしている。彼に会うのも最後かも知れないな。「おつかれ」と声をかけると、「あ、おつかれ~」と気の抜けた返事が返ってくる。
体育館を抜け出し、帰路へとつく。
とは言え、ここが何処かも良くわからない。ま、テキトーに歩いていればつくか…。そんな感じで歩き出す。すると、タマちゃんがチャリで追いかけてきて、帰りの道を教えてくれた(そうだ、タマちゃんはもうこっちの学校に居るんだったっけ)。
辺りには田園風景が広がっている。側溝の設けられた、ゆるやかな下り道。教えられた通りに歩いていくと、高架下に出た。上には高速道路、下には川が流れている。
あれ…? これって、どうやって向こう側に行けば良いんだ…? タマちゃんは何か言ってったけ?
逡巡していると、今度はジャガが現れる。そっちに迂回すれば通り抜けられるらしい。サンキュー。迂回路は交通量が多い道で、なんだか少し危なっかしい。これで良いんだよな…と思いながらも、なんとか向こう側へ抜ける。すると、後ろから女の子が慌てて渡ってきた。
あれ? ナカオさん?
…と、思ったら、それからさらに2~3人連れ立ってくる。どうやら、道が分からなかったらしく、先を行くボクを見つけて付いてきたらしい。話をしていると、クラスの連中がどんどん追いついてくる。
あらら…結局、元に戻ってしまったな。なんだか、卒業式の続きをしているみたい。ワイワイガヤガヤと賑やかしい。
と、ひとりの女の子がボクに紙切れを差し出す。メアドが書いてある名刺。「さっきの写真、良かったらここに送ってください」とその女の子。ああ…さっき写真撮ったの気づいてたのね。
そのメアドを見ると、「~kumachan@~」と書いてある。ボクは思わず「クマちゃん…?」と怪訝な声をもらす。そしてハタと気づく。ああ…そうか、この子の名前、クマダさんだったっけ。それを傍で見ていたノリコが笑う。「○○くん、SKEのくまちゃん好きだったよね」。
…バレてら…ってか、なんでそんなこと知ってるんだ?
みんなが集まったところで、ふたたび歩き始める。ところが、今の騒ぎで帰りの方角が分からなくなってしまった。どっちの方角に行けば良いんだっけ?
そんなの簡単だ…とボクは考える。富士山が見えているんだから、富士山とは逆の方向に進めば良いのだ…と思って歩き始めたら、今度は前方に富士山らしき山が見えてくる。
…あれ? どっちが富士山なの? こりゃ困ったぞ。
でも、大丈夫。みんな一緒なんだから。ボクは声を張り上げた。
「だれかコンパス持ってない!?」