グランド・ブダペスト・ホテル(4.0) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
『グランド・ブダペスト・ホテル』
THE GRAND BUDAPEST HOTEL
 
2013年ドイツ/イギリス、100分
 
監督: ウェス・アンダーソン
 
主演:レイフ・ファインズ
 
概要
 『ダージリン急行』などのウェス・アンダーソン監督が、格式高い高級ホテルを取り仕切るコンシェルジュと、彼を慕うベルボーイが繰り広げる冒険を描いた群像ミステリー。常連客をめぐる殺人事件と遺産争いに巻き込まれた二人が、ホテルの威信のためにヨーロッパ中を駆け巡り事件解明に奔走する。主演のレイフ・ファインズをはじめ、エドワード・ノートン、エイドリアン・ブロディ、ジュード・ロウなど豪華キャストがそろう。(Yahoo!映画より)
 
感想
 一風、変わった作品というのは、たとえコメディであったとしても、その変わった雰囲気に自分のモードが合わなければ(逆に言えば合わせなければ)楽しめない。たとえば、少し風味の変わった料理なら、舌の方をそれに合わせなければ楽しめないように。
 
 じつを言えば、最近のボクは、それに少し疲れてしまう。だから、お気楽な、分かりやすい、自然主義的な作品ばかりを見るようになる。シティボーイズ&三木聡で育ったボクにとって、ある種のシュールさというのは、本来、比較的に自然に受け入れられるものなのにも関わらず、やっぱり少し疲れてしまうんだ。
 
 だけど、こうしたモードの違いは、そこに浸っていれば、段々と慣れてくるもの。だから、そこに到達するまで見ていられるかが、この手の映画の勝負になる。その点、この映画は、まあ見ていられた。シュールだけど、そこまでぶっ飛んでいるわけでもない。爆笑させるわけではないけれど、間の抜けた間と、くだらん笑いがスパイスを効かせている。
 
 どこかピンクパンサーを彷彿とさせるような雰囲気に、旧共産圏のかったるさを掛け合わせたようなノスタルジア。崩れかかった建物の虚弱な荘厳さと、子どもの頃に遊んだおもちゃのようなチープな幻想、そうしたものたちが紡ぎ出す失われた時代へのまなざし。
 
 それはどこか少し黴びの生えたような酸味のあるノスタルジアで…。
 
 物語としては、共産主義に呑み込まれる以前の旧共産圏(なんか変な言い方だな)を描いているんだけれど、あの時代特有の没落していく貴族文化…というよりはむしろブルジョワ文化と言うべきか…のなかに、なにか旧共産圏の名残りを感じさせるものがある。
 
 未来が過去に反映していると言うのかな…たとえば、あの「赤」は、オーストリア=ハンガリー帝国の「赤」を連想させるんだけど、そこに共産時代の「赤」をも連想させるものが含まれていると言うのかな…なにかそんな感じ。
 
 ミステリー要素は(要はピンクパンサーなんで)おまけみたいなもんだし、面白いか面白くないかと聞かれれば、うん…それは何とも答えづらい。ゆりあは
「グランド・ブラペスト・ホテル」
よく分からんかったと言っていた(笑)。
 
 なんて言うか、ヴィシソワーズみたいな映画(人によっては、それを「愛すべき小品」と評すのだろうけれど)。
 
☆☆☆☆(4.0)