総選挙エピソード(番外編)
「強いこと/守りたいこと」
1.
今日、優子が巣立っていった。「今までのどの卒業生よりAKBの近くに居たい」という言葉が印象的だった。あれだけ多彩な才能の持ち主なのに、最後に「普通の女の子が夢を見たって良いんですよね」と語った優子は、たしかに48イズムの体現者だった。
(ここで語りたいことは沢山ある気がするけれど、別に芸能界から居なくなっちゃうわけじゃないし、3月の時点で卒業記事書いちゃったから、まあ今は良いかな…)
アイドルってのは、勇者みたいなもんだとボクは思っている。力では戦士に敵わない。賢さでは魔法使いに敵わない。自らの聖性によってファンの力を集めることで誰よりも輝く。
そんな勇者もいつか力をつけて、自分の力で戦うべきなのだろうか。
2.
ひょんさんは、選挙後、こんなことを言っていた。
このポジションはもちろん大切にします。だって今までで一番の順番だから。だけどこれからは自立して行かなくちゃ。自分の足で立って、前に歩いていくことも大切なんじゃないかなって。
アイドルである以上このバランスは難しいです。でも昔のようにへなちょこな私ではないのは確かなんです。守ってあげたい女の子では無くなってる。笑
「バランスが難しい」…よく分かる。たとえば演技をしたいなら、(俳優ってのも実はイメージに左右される部分が大きいということは脇に置くとしても)それに相応しい力をつけなければならない。でも自分の足で立てるようになってしまったら、もう支えなくても、守らなくても大丈夫とファンに思われてしまうかも知れない。
たしかにそういう側面はあるんだろう。「か弱いものを助けたい/守りたい」って感情が自分のうちにあることもボクは否定しない。
だけど、最近、「自分は強い」って言いたがっているひょんさんを見ていて、ボクは「ひょんさんかわいい」って思う。ボクはむしろ、ひょんさん、チョー守ってあげたいと思う←「チョー」はおかしい(笑)
それってどういう感情なんだろう。
カワイイってのは、もともと「小さい/か弱い」ってニュアンスを持っている言葉だ。だから「かわいい」って言いたがるのは、逆にひょんさんを「か弱いもの」としておきたい感情なのかも知れない。つまり、強くなってしまうと、ボクらのもとを去ってしまうかも知れない…という寂しさから来ている感情…。
でも…きっとそうじゃないんだ。
最初に「玲奈」を見たときは、いかにも可憐でか弱くて触れたら折れてしまいそうで、凄まじいほどの透明感をもっていた。でも、ボクには、いまの「ひょんさん」の方がずっと守ってあげたいと思える。いまの方がずっと、ボクはひょんさん好きだと思う。
それはなんでだろう。
今回の総選挙で気付いたことがある。それは、ひょんさんはほんの少しだけこあちゃんに似ているってこと。硬骨でね…。瞬間的に悔しさを表に出して、そしてまた後で反省する。だから壇上では「笑顔」でって…なにかそういう気持ちがね…。
でも…いや、だからかな…ボクは「みなさんがいなかったら何もできないよ」ってこあちゃん同様に、「昔のようにへなちょこな私ではない」ってひょんさんも守りたいって思えるんだ。だから、そこには「か弱いから守りたい」とか、そういうロジックとは別の回路が働いている筈なんだ。きっとね…。
「守りたい」って一口に言っても、色々な「守りたい」があるんだと思う。「なこみく守りたい」って…何か別の文脈を引き込んでしまいそうだけど(笑)…たとえばね、そう言った時、あるいは「6期生を守りたい」って言った時の「守りたい」と、「ひょんさん守りたい」って言った時の「守りたい」は、それぞれ少し違う…少なくともボクにとってはね。
ボクが「ひょんさんを守りたい」って思えるのは、それはきっと、昔よりほんの少しだけひょんさんを理解できるようになった…気がしないわけでもなくもない(笑)…からじゃないかな(それはきっとこあちゃんも同じで)。
ひょんさんが「自分は強い」って言いたがる気持ちも、なんとなく理解できる。だから守ってあげたい、支えてあげたいと思える。ボクの場合、たぶん「理解」することが「守りたい」って気持ちに繋がるんだ。
だから時には本音を正直に語ってしまうことも、きっと必ずしも悪いことばかりじゃない。たしかにそれで離れていってしまう人も居るのかも知れないけれどね…。
何が言いたいか…
ひょんさんがボクらの支えを必要としなくなったわけではないことは分かってる。たぶんボクは、「ひょんさんを守りたい」「ひょんさんを支えたい」ってボクの気持ちは、ひょんさんが強くなっても変わらないんだってことを言いたいんだと思う。だって、それは「理解」から来ているから。
「強いこと」と「守りたいということ」。たぶん、そのふたつは必ずしも相反するものでもないんだ。だって、歴史上の名将はいつも「この人のために命をかけたい」と周りに思わせる人だったんだから。強い人が守られていたら、支えられていたら、より強くなる。
歩けなければ、ボクらを杖にすればいい。自分の足で歩けるようになったら、ボクらをピッケルにして山に登ればいい。山の頂上まで登ったら、ボクらを翼にしてどこまでも飛んで行けばいい。それで失敗して落っこちちゃったら、またボクらを杖代わりにして立ち上がればいいんだ。