ドラフト制度の不条理5
「重大発表」
本日開催されるAKBドラフト会議。直前の昨日になって、ドラフト会議に関わる「重大発表」が行われました。それは、各チームキャプテンの意向次第で、ドラフト生は「育成メンバー」として研究生同樣に扱われるというものです。
「迷走ここに極まれり」って感じですが、ドラフト生たちの未熟さが明らかになっていましたし、このシリーズでも書いてきたように、いきなり研究生の頭越しで正規メンバーというのはどう考えても理不尽でしたから、これは歓迎するべき変更だと思います。
戸賀崎さんの話を聞いていると「育てたいという各チームキャプテンの意向があり」と言っていたので、各チームのキャプテン(リーダー)、とりわけこういう場合に動きそうな玲奈辺りが中心になって意見具申したんだろうと思います。これは各チームキャプテン「サマサマ」ですし、運営も(過ちを認めるという)恥を忍んで良く決断しました。
また、併せて、来年から「ペナントレース」を行うことも発表されました。これはチーム間で公演の(応募)倍率を競うものらしいのですが、こちらは賛否両論を呼んでいます。しかし、(倍率で競うのが良いか、他の指標を用いるのが良いかは別として)チーム間の競争原理を導入するのはボクは賛成ですね。
それは、今回(スタベン制度について)書こうとしていたことと関わります。
1.モチベーション
スタベン制度では16人制が廃止されます。前回も書いたように、これにはメリットもあります。第一に16人制が廃止されることで、チームに「空き」がなくても、いつでも研究生を昇格させることができます。
このことによって、辞めなくてもいい人(まだチームに必要な人)が、「枠を空けるために辞めなきゃいけない」という変なプレッシャーから解放されるでしょう。たとえばSKEの場合、研究生も多いですし、そういう(自己犠牲)精神をもった年上の正規メンも多そうなので、16人制の廃止はボク的にも歓迎すべき要素はあります。
また、スタメンとスタベンの違いが出ることによって、スタベンに落ちたくないというモチベーションが生まれるであろうことも、前回指摘しました。
ただし、これには当然、デメリットもあります。なかまったーの例を思い起こすならば、彼女は(スタベンに落とされ)公演から干され続けたことによって、輝ける場を失い、むしろモチベーションを維持できなくなり、そのまま辞めていってしまったのです。
まあ、もともとモチベーションがないから干されたのか、干されたからモチベーションを失ったのかは定かではありませんが、スタベン制度が必ずしもモチベーションにつながるわけではないことは指摘しておくべきでしょう。でもまあ、ウッチーみたいに頑張って(他チームにアンダー出演したりして)再評価されてる子もいるんで、その辺は本人次第ってところはあるんですけどね。
2.家族意識
もうひとつのデメリットは、16人体制が崩れることによって、正規メンバーの価値やチーム意識が希薄になりかねないことです。16人という決められた枠の正規メンバーに選ばれることと、定員の枠を廃止した正規メンバーに選ばれることでは、意味が違ってくる。それは指摘するまでもないでしょう。そして、それはまた「正規メンバーである」という意識/誇りに傷をつけるものになりかねないのです。
また、16人制ならば(原則として)全員が公演に出演できますから、ここには家族的なチーム意識が芽生える要素があります。「フルメン」という言葉が用いられるのも、こうした側面から考えることが出来るでしょう。あれは(ある意味では)「食卓に家族全員が揃った」と言っていることに近いのです。
でも、16人制を廃止してしまえば、食卓(公演)に家族全員が揃うことはあり得なくなります。それはチーム意識(家族意識)に傷をつけるものになりかねません。
前回は競争原理という話をしましたが、これはまさに今、日本の会社経営を取り巻く問題、競争原理を軸とした新しいタイプの会社経営か、それとも旧来の古き良き(悪しき)日本的経営―すなわち家族経営―かという問題を思い起こさせます。
年功序列・終身雇用を原則とした日本的経営は、そのチーム力によって著しい成功を収め、「日本は世界でもっとも成功した社会主義国である」と評されたりもしました。しかし一方でそれは、企業が「事なかれ主義」に陥り、個人が活気を喪ってしまい、(かつての共産主義同樣に)やがて国自体も競争力を失っていくという事態に結びついていました。
そのため、昨今は盛んに(アメリカ的な)競争原理・成果主義が叫ばれるようになったのです。出来のいい奴は若い奴でもどんどん抜擢し、出来の悪い奴はクビを切ってしまう。まあ、そこまで極端ではないにせよ、方向性としてはそういうことです(そこにセーフティネットが必要だってのは確かですが)。
しかし、企業が(ある程度)自由にクビを切り、雇用者も自由に職業選択を行う社会においては、ひとつの企業に対する忠誠心を養うのは困難になるでしょう。これまでに述べてきたように、AKBのスタベン制度というのも、少なからずそういう要素があります。それは、家族的意識やチーム愛を奪ってしまう危険性を孕んでいるものでもあるのです。
そこで、今回のペナントレースです。チーム意識を芽生えさせるには、チーム全体で共有できる明確な目標を与えてやれば良いのです。チームスポーツというのはまさにそうした原理によって支えられています。one for all, all for one…どこかで聞いたようなそんなセリフが、そういう場所には相応しいでしょう。
3.ドラフト会議
さて、5回に渡って書いてきたこのドラフト制度批判(笑)
直前になって運営が折れたことで(まあ直接的な効果はないにせよ)ボクの気も晴れました。今日のドラフト会議は普通に楽しんで見ることにします。以前から書いてきたように*、ボクが注目しているのは、内木志さん、川本紗矢さん、間島和奏さん、後藤萌咲さんの4人です。
さてさて、どうなりますかね…