「時には昔の話を:存在しない過去」
-夢日記-
夢を見た。
飛行船から落ちかけた少年が、
ホウキに乗った少女に助けられた頃。
ボクらはレクリエーションのように、
故郷の坂道を歩いていた。
同じグループには、さや姉やひらりー。
さや姉がしきりに「坂がり道」という言葉を使う。
ボクは、その言葉を聞いたことがなかった。
「坂がり道って、前も言っていたけれど、関西の言葉?」
「え?そんなことないと思いますよ。ひらりーも使ってますし」
大学の後輩みたいで何だか話し易い。
…そうか、そう言えばひらりーも使ってたな。
帰国子女のひらりーが言ってるってことは、
関西弁どころかむしろ国際的な言葉なのか…。
「ボクが単に言葉を知らないだけだね」
…
春夏秋冬。山の景色は変わる。
春には一面の白詰草。
遠くの山々が白詰草で埋め尽くされている。
そして夏。世界が緑に染まっていく。
ボクは先へ急ごうと歩みを進める。
ふと、袖が引っ張られる。
「ちょっと待って」と小学生の弟。
写真に撮ったかのような情景。
辺りには、『時には昔の話を』のinstが流れている。
いつしか、世界は夕暮に染まっている。