『クロニクル』
CHRONICLE
2012年アメリカ、84分
監督:ジョシュ・トランク
感想:デイン・デハーン
概要
ごく普通の生活を送っていた高校生たちが、突如として超能力者として覚醒したことから思わぬ事態に身を投じていくSF作。メガホンを取るのは、テレビドラマ「キル・ポイント」シリーズの新鋭ジョシュ・トランク。キャストには、『欲望のバージニア』のデイン・デハーン、『キャリー』(2013年)のアレックス・ラッセルなどの若手注目株が顔をそろえている。自動車を次々と跳ねのける超能力の描写に加え、ティーンエイジャーの日常や心情をリアルにすくい取ったドラマ部分も魅力。(Yahoo!映画より)
感想
一昔前(ボクはつい最近だと思っていたのだけれど)『ニュー・イヤーズ・デイ 約束の日』(2000)というイギリス映画があった。当時はやっていた『トレインスポッティング』の系譜を受け継ぐ映画で、青春のどうにもやるせないあの逃げ場のない感じをポエティックに描いていた。
さほど完成された映画ではなかったし、細かなストーリーとかプロットは余り憶えていないんだけど、あの雰囲気だけは妙に記憶に残っている。印象深い映画のひとつだ。あの頃、ボクは映画の主人公たちと同世代だった。あの映画は(『鉄塔武蔵野線』などと同様)ボクの青春の一部だ。
New Years Day [Trailer](YouTube)
『クロニクル』もまた、そうした雰囲気を持つ青春映画だ。基本的に「劇中カメラ」を中心に話が進むから、そのカメラが故障したり、スイッチがオフにされた(という設定の)時には、(たとえ物語上で重要な意味を持っていたとしても)バッサリとカットされて場面が飛んだりする。
その辺のいかにも粗雑な感じが、若さを表している(ただし、展開について行き辛いということはなく、その辺は上手いこと処理していた)。何より、ハンディカム特有の浮遊感、不安定感が出ていて、それが青春の不安定さに…ってのは誰もが言いそうなことか…
この青春特有の不安定さが、『ニュー・イヤーズ・デイ』をボクに思い起こさせた。心理描写からは、あそこまで息詰まるようなやるせない感じは受けないんだけど、その代わりに超能力要素が入ってるって感じかな。…それとも、17、8歳の少年がこれだけの鬱屈を心の内に溜めていて、超能力を手に入れてさえそれが解消されないということ、そうしたことを、大人になってしまったボクが理解できなくなったということなのか…。
最終的にこれは、ものすごいダークな『涼宮ハルヒの憂鬱』なんだって思えてしまった。そんな風に、目に映る全てのものに連想が働いてしまうということ。それが年を重ねたということ。
☆☆☆☆(4.0)