『マン・オブ・スティール』
原題: MAN OF STEEL
監督:ザック・スナイダー
主演:ヘンリー・カヴィル
2013年アメリカ、143分
概要
クリストファー・ノーラン製作、ザック・スナイダーが監督を務めたスーパーマン誕生までの物語を紡ぐアクション大作。過酷な運命を受け入れ、ヒーローとして生きることを決意する主人公の苦難の日々を驚異のアクションと共に描き出す。『シャドー・チェイサー』などのヘンリー・カヴィルが主人公を熱演。悩んだり傷ついたりしながらも前進する主人公の姿が目に焼き付く。(Yahoo!映画より)
感想
映画館の帰り、夜空の星を眺める。距離は変わってない(どころか銀河は遠ざかっていく)のに、なぜだか星が近くに感じられる。
遥かかなたの星の光景。そこにある筈の文明。いまだ語られたことのない歴史の興亡。種族の最後のひとりの物語。この地球上の誰もまだ見たことがない世界。きっと、ボクが生きている間には見ることができない光景。ボクがどうしてもどうしても見たくて天を仰いだ数々のもの。
SFの想像力は、そんな心の隙間を少し埋めてくれる。そしていまや、制作者は(映像技術の発達によって)ホントにそこにあるもののように世界を構築することができる。イメージ次第でいくらでも望んだような映像が作れる。こうしてイマジネーションが刺激され新たなインスピレーションが閃く。いまのSF映画はそういう好循環の状況にある。
だから最近のボクは、何を見ても面白く感じてしまう。映画を見ること自体が楽しくて仕方ない。ボクらはいまや、星間旅行や星の滅亡や「ファースト・コンタクト」を、まさにそこにあるものとして見ることが出来る。(不謹慎だろうが何だろうが)SF好きにとって、こんな楽しいことは他にないんだ(だれか「ファウンデーション・シリーズ」や『楽園の泉』や『宇宙のランデヴー』を映画化してくれ)。
上映前、画面隅の、映像と現実の境目をボーッと眺める。なぜだか、こあみと梅ちゃんのことが頭に浮かぶ。そして…「世界」が始まる。空を飛ぶとはどういうことか、太陽の光はどうしてこんなに美しいのか、レンズの動き、瞳の奥の輝き、草原の嫩黄色、「マン・オブ・スティール」。これは「スーパーマン」じゃない。かつて「スーパーマン」を愛していた子供たちが作ったものだ。
ザック・スナイダー特有の格闘シーンは時にクドく感じるけれど、そんなことはどうでもいい。文学的想像の余地とか、政治的にどうこうとか、理屈に合ってないとか、プロットがどれも似たような感じだとか、そういうことも全部あとで考えることにしよう。映画として素晴らしいかどうかなんて、知ったこっちゃない。星の存在をこんなにも近くに感じることが出来る。ボクらはいま、イメージの力を信じよう。
☆☆☆☆☆(5.0)
映画『マン・オブ・スティール』本予告編映像