『物語論1』
1.速報
速報時点なので、まだ確たることは言えないのですが、どうも選抜総選挙でNMB48勢が苦戦しているように見えます。CD売り上げなどは割と順調だったのに、なぜ末っ子グループのHKT48よりも圏内メンバーが少ないのか、ちょっと不思議な感じがするかも知れません。
その一方、主力メンバーに卒業が相次ぎ、苦戦が予想されたSKE48勢は今年も大量に送り込んで来ています。
小林よしのりさんは、このことに関して、彼らしい言い回しで、「名古屋人はカネを持ってる。大阪人はケチ。 博多人はカネ持ってない」と言っていました。面白い考えだとは思いますが、それに関しては、ボクには判断のしようがありません。
そこで、今回は、もう少し違った側面から切ってみることにします。
2.「選挙戦」
時代ごとに差はありますが、「戦」の勝敗を左右するものは、1に技術力、2に兵力の多寡、3に兵の士気/練度、そして4に戦術だとボクは思っています。このうち、1~3は「戦略」の領域ですね。ここの部分でほとんど勝負は決まってしまう。
(余談ですが、補給の問題は3に関わります。すなわち「腹が減っては戦は出来ぬ」)
これをAKB48選抜総選挙に置き換えて考えみましょう。1の「技術力」というのは、軍隊であれば、装備の問題になります。ただし、これは総選挙に関しては、ほとんど関係ありません。基本的には、みな同じフォーマット(ぐぐたす/YouTube)に乗っかって勝負しているからです。
(ただ、ぐぐたすで番組を作ってしまう速報17位のかおたんに関しては「技術力がモノを言っている」と云えるかも知れません)
2の「兵力の多寡」に関しては、単純に人気(ファンの多さ)と置き換えることができます。人気がある方が選挙に強い。当たり前のことですよね。ただ、AKB総選挙の場合は、そう簡単にはいきません。なぜならば、一人一票ではないからです。そういう意味では、AKB48選抜総選挙は人気投票ではないのですね。
ここで問題になってくるのが、3の「兵の士気/練度」です。つまり、ファンの士気/練度ですね。しかし練度とは言っても、ファンの組織化というのは、なかなか出来るものではありません(無いとは言わないですけど)。したがって、「士気」がポイントになってきます。「士気」が高ければ、それだけ多く投票してくれるということになるでしょう。
(ちなみに、各グループに選対スレが立っていますが、あれがやっているのは基本的には「選択と集中」なので、「戦術」の領域になります。戦術ってのは、要は個々の局面で、どれだけ相手より多くの兵力を集めるかという問題なわけです)
さて、「士気」がポイントだとすると、鍵を握ってくるのが「物語」という問題です。これは少し分かりにくいかも知れません。少し例を挙げてみましょう。
典型的なのは十字軍です。あれは「聖地を異教徒から取り戻す」という「物語」によって駆動された戦いでした。その「物語」が有効だった当初は、きわめて「士気」が高かったわけです。そして、エルサレムから一時的にせよイスラム教徒を駆逐してみせた。
だけど、第7回の頃には、
西欧は第1回十字軍のころと比べて格段に豊かになっており、命や財産を失う危険を払ってまで聖地を取り戻そうとする宗教的情熱は人々の間から失われつつあった。(http://ja.wikipedia.org/wiki/第7回十字軍)
それに、高級聖職者は騒いでるだけで戦いやしないし、商人連中を儲けさせるだけで、戦費が嵩んで故郷は荒れていく。結局、「物語」の有効性が失われていくにつれ、何のために戦ってるか分からなくなり、「士気」を維持できなくなって自壊していきました。
まあ、これも余りにも大ざっぱな切り方で、突っ込みどころは多々あると思いますけど、ここでボクが言いたいのは、「物語」が「士気」に直結しているということです。
つづく