『安全について…オスプレイに関するetc.1』
オスプレイが沖縄に配備されたというニュースが連日飛び交っています。巷間いわれているようにオスプレイはホントに斯様に危険な機体なのでしょうか。とりあえず自分で調べてみたのです。しかし、「オスプレイは危険」って議論、調べれば調べるほど不思議になってきます。まあ、色んなところで散々っぱら述べられているので、ボクが書く必要はない気もしますがね(^_^;)>
注:便宜上、すべて型番で呼称します。CV-22&MV-22がオスプレイです。
当初、良く見かけたのが事故率の話。何処かで目にされた方も多いと思いますが、取り敢えずいくつかの数字を挙げてみましょう。先日、日本での運用が開始されたMV-22(海兵隊仕様)の事故率(10万飛行時間あたり/いわゆるクラスAの重大事故)は3.32(1999~2011)ですが、これは試験運用期も含んだ数字であり、本格運用後(2004~)は1.93(2012年のモロッコ事故を含む)になっています。
MV-22(生涯事故率*)=3.32 (*2011年時点)
MV-22(本格運用後*)=1.93 (*2012年のモロッコ事故含む)
一方、MV-22が置き換える予定の従来機種CH-46における同時期の事故率は1.14(2004~2011…*MV-22の2004~2011は1.12)という数字ですが、H-46全機種総合の生涯事故率で見ると5.74(1964-2010)という数字になります。表を見てみると、とりわけ運用初期に高い数字が出ていて、最初の10年の平均は10.0を上回り14.1(1964~1973)となっています。*ちなみに、日本の自衛隊もこの時期からCH46(をライセンス生産したKV107)を使っています(陸自は1966年から運用)。もちろん、上記は全機種含めての数字なので、オスプレイも同条件にしないとフェアではありません。そこでCV-22(空軍仕様-日本未配備)を見てみると、これは13.47(2006~)という高い数字が出ています。しかし、これを含めてもなおV-22総合で生涯事故率3.65という数字になり、やはりH-46の生涯事故率5.74より低い数値になっています。
H-46
CH-46(2004年~2011年)=1.14
H-46(1964年~1973年)=14.1
H-46(生涯事故率)=5.74
V-22
MV-22(2004年~2011年)=1.12
CV-22(2006年~)=13.47
V-22(生涯事故率)=3.65
では、CV-22の数字が異常に高いかと云えば、それもやはり違うようです。このCV-22は特殊作戦型であり、そもそもMV-22とは運用方法が違うのです。こちらの方はMH-53に置き換えられているのですが、MH-53の生涯事故率を見てみると、7.51(1966-2008)という数字になっています。ここで注意すべきなのは、MH-53の事故率では02年から04年にかけて40.46-27.54-21.34という高い数字が並んでいることです(その前の3年は7.36-7.00-0」)。これは言うまでもなくアフガン侵攻が始まった年(2001年10月7日~)であり、それに伴って事故率が跳ね上がっていると見るべきでしょう。つまり、戦時下においては、(訓練や離着陸場所/整備など)運用法にムリが生じるため、事故率が上がるということです。したがって、MH-53の生涯事故率が(CV-22に比べて)比較的低いように見えるのは、戦間期の数字が全体の数字を押し下げているためです。それを証すように、MH-53の10年事故率(1999~2008)は12.34になっています。この並びで見ると、06年からMH-53を置き換え始めたCV-22の事故率13.47(2006~)も格段に高いものだとは思えません。ちなみに、同時期の海兵隊仕様CH-53は4.75(1999~2008)、先述したようにMV-22は3.32(1999~2011)~1.93(2004~)になっています。*このCH-53は沖縄に配備されており、2004年に沖縄国際大学のキャンパスに墜落した機種です。
空軍仕様特殊作戦型
MH-53(生涯事故率)=7.51
MH-53(1999年~2008年)=12.34
CV-22(2006年~)=13.47
海兵隊仕様輸送型
CH-53(1999年~2008年)=4.75
MV-22(1999年~2011年)=3.32
MV-22(2004年~)=1.93
振り返ってみれば、H-46全機種の事故率が14.1と高かった最初の10年もベトナム戦争期に当たっています。ここまで見てきたように、事故率を見る限り機種別では有意な違いは認められず、むしろ運用状況(運用方法/戦時であるか否か等)によって違いが生じているようです。したがって、「(機種として)オスプレイは危険」という説に何か特別な根拠があるようには思えません。これは一体どういうことでしょうか。
つづく…次回「オートローテーション」