麒麟の翼 ~劇場版・新参者~(3.0) | 想像上のLand's berry

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言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

 
『麒麟の翼 ~劇場版・新参者~』
 
2012年日本、129分
 
監督:土井裕泰
 
主演:阿部寛
 
概要
 東野圭吾のミステリー小説「加賀恭一郎シリーズ」の「新参者」を基に、阿部寛主演で放送されたテレビドラマの劇場版。東京・日本橋で起こった殺人事件の謎に挑む主人公・加賀の姿と、事件に絡む人々の深いきずなを描いていく。メガホンを取るのは、『いま、会いにゆきます』の土井裕泰。新垣結衣、山崎努、中井貴一ほかドラマ版にも登場した黒木メイサや溝端淳平が共演。事件の裏にひそむ家族や恋人との関係にも迫り、ミステリーとしてだけではなくヒューマン・ドラマとしても楽しめる。(Yahoo!映画より)
 
あらすじ
 腹部を刺された状態で8分間も歩き続け、東京・日本橋の麒麟(きりん)の像の下で息絶えた男性。一方、容疑者の男は逃亡中に事故に遭い、意識不明の重体となる。日本橋署の加賀恭一郎(阿部寛)は事件を捜査するにつれ、関係者の知られざる一面に近づいていく。被害者はなぜ必死で歩いたのか、はたまた加害者の恋人が彼の無罪を主張する理由とは……。(Yahoo!映画より)
 
感想
 日本の企業が国際競争力を落とした理由は、次のように説明されることがあります。「国内市場が大きく、そこだけで食べていけるので、新しい市場を開拓することよりも、決められたパイ(国内シェア)を確保することに意識が集中する。結果的に企業はチャレンジしなくなるので、どこも同じような製品を生み出すことになる」
 
 テレビにおいて、「決められたパイ」は視聴率になるわけですが、他局と同じようなことをしていれば大負けをくらわずに済みます。スポンサーやシェアホルダー(株主)の存在があるので、負けは許されないわけです。そのようなリスク回避の姿勢、チャレンジをしない姿勢こそが、現今の日本企業を取り巻くひとつの空気なのかも知れません。
 
 この映画を見ていると、まさにそのことが思い起こされます。この映画からは、TV局が制作した映画特有のヌルさが感じられます。まるで記念写真を見ているかのような画面の平板さ。どうにも間の抜けたBGM。知名度だけで起用されたかのような低調な演技。ノウハウだけで撮っているかのような退屈な演出。平凡さ、とてつもない平凡さ。当然、これではコンテンツとして海外に売り出すことなど不可能です。
 
 他の作品では良い演技を見せているのに、ここでは酷い演技を見せている人も多く、監督個人の能力にも相当に問題がありそうです。何より許せないのは、女優陣をまったく美しく撮れていないということ。よくもまあ、新垣さんをあんなに可愛くなく撮れるもんだと…田中(麗奈)さんに至ってはどこの不細○が出て来たかと…(え~…失言でした<(__)>)
 
 ともあれ、映画としては評価できないわけですが、それにも関わらず、詰まらないわけではありません。それはやはり、原作を書いた東野さんの力に依るところが大きいでしょう。バラバラに散らばった断片を、終盤で一気に収斂させる手腕は見事なものです。ただし、物語の筋が完璧なものかと言うと、そこはやや疑問が残るところです。動機が弱いように感じますし、心理描写も納得がいきません。何より、「いかにも」作られているという印象を受けてしまうのがマイナスですね。
 
☆☆☆(3.0)